

野兎八兵衛(のうさぎ はちべえ)です。総合旅行業務取扱管理者を独学で一発合格しました。総合旅行業務取扱管理者試験の「旅行業約款、運送約款及び宿泊約款」について、受験対策とおすすめの勉強法を説明します。
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目次
「旅行業約款、運送約款及び宿泊約款」の配点と対策
総合旅行業務取扱管理者試験では、旅行業約款が20問×4点=80点、運送・宿泊約款が10問×2点=20点、合計100点の配点です。旅行業約款が80点、運送・宿泊約款が20点を占めるため、まずは配点の大きい旅行業約款を中心に対策することが重要です。
ただし、合格基準は科目全体で60点以上です。 旅行業約款だけで合格ラインに届く可能性はありますが、実際には運送約款・宿泊約款の基本問題も確実に拾えるようにしておくと安心です。
旅行業約款が80点を占めるため、ここでできるだけ得点を積み上げることが重要です。 目安としては、旅行業約款部分で60点以上を安定して取れる状態を目指し、運送約款・宿泊約款の基本問題でさらに上積みする、という意識で勉強すると安心です。
旅行業者の立場と旅行者の立場の両方の立場で、具体的なシーンを思い浮かべると理解が進むと思います。
テキストは1冊に絞って、何度も読み返すのがおすすめです。 筆者は、基本テキストとしてユーキャンの速習レッスンを使いました。 複数のテキストに手を広げるよりも、まずは1冊を繰り返し読み、約款の全体像をつかむことを重視しました。
「旅行業約款、運送約款及び宿泊約款」のおすすめ勉強法
そもそも約款とは
約款とは、事業者(会社)が、顧客などといった不特定多数と同じ契約をする際に用いる、定型的な契約条項のことを指します。不特定多数と大量に契約する場合、定型的な契約条項を定めておくことで、個々に契約内容を定めて作成する手間を省きます。
試験対策では、約款を難しい法律文書として読むのではなく、「旅行者と事業者の間で、どのような約束がされているのか」を確認するものとして読むと理解しやすくなります。
旅行会社、バス会社、宿泊施設などは、不特定多数の人が利用するサービスですので、利用者といちいち個別に契約書を締結するのは非常に非効率です。利用者側としても、バスに乗る度に、ホテルに泊まる度に、契約書を交わすのは面倒です。
そこで定型的な契約条項を標準約款として定めておくことで、サービス提供者と利用者の双方の利便性を高めるとともに、リスクを低減することが可能となります。
標準旅行業約款のおすすめ勉強法
標準旅行業約款は国土交通大臣名で発行されていますので、原文には目を通しておきましょう。原文を一字一句覚える必要はありませんが、まずは全体の構成を確認しておくと、テキストや問題集の理解が進みやすくなります。
標準旅行業約款などの約款は改正されることがあります。試験対策では、受験年度に対応したテキスト・問題集を使い、必要に応じて観光庁・国土交通省の最新資料も確認してください。
標準旅行業約款は、募集型企画旅行契約、受注型企画旅行契約、手配旅行契約、渡航手続代行契約、旅行相談契約など、旅行会社と旅行者との契約類型ごとに構成されています。
試験対策では、特に配点上重要になりやすい募集型企画旅行契約と受注型企画旅行契約を中心に、契約の成立、契約書面・確定書面、契約の変更・解除、取消料、旅程管理、旅程保証、特別補償、旅行会社の責任などを整理して覚えるとよいでしょう。
| 分野 | 覚えるポイント | 対策の方向性 |
|---|---|---|
| 契約の種類 | 募集型企画旅行、受注型企画旅行、手配旅行の違い | 誰が旅行計画を作るのか、誰のために手配するのかで整理する |
| 契約の成立 | 申込み、申込金、契約成立時期 | 「いつ契約が成立するか」を具体例で覚える |
| 書面交付 | 取引条件説明書面、契約書面、確定書面 | 交付時期と記載事項を整理する |
| 契約の変更・解除 | 旅行者からの解除、旅行会社からの解除、取消料 | 日数・金額・条件を表で覚える |
| 旅程管理・旅程保証 | 旅程管理義務、変更補償金 | 募集型企画旅行で特に重要な論点として押さえる |
| 特別補償 | 死亡補償金、入院見舞金、通院見舞金など | 補償される場合・されない場合を区別する |
| 旅行会社の責任 | 損害賠償責任、免責、通知期間 | 旅行者保護と事業者責任のバランスで理解する |
たとえば、自宅/ホテルと空港を結ぶ次世代空港送迎サービスであるスマートシャトルを運営する株式会社NearMeという会社があります。

このスマートシャトルを運営している株式会社NearMeの標識を確認すると、「東京都知事登録旅行業第2- 7716号」で第2種旅行業です。旅行業約款は、国土交通省が発行している標準旅行業約款を採用しています。標準旅行業約款をそのまま採用している会社が多いようです。

(出典:株式会社NearMeのサイト https://corp.nearme.jp/license)
運送約款のおすすめ勉強法
運送約款では、国際運送約款、国内旅客運送約款、一般貸切旅客自動車運送事業標準運送約款、フェリー標準運送約款が対象となります。
| 分野 | 確認するポイント |
|---|---|
| 航空運送約款 | 航空券、予約、搭乗、手荷物、払戻し、責任限度 |
| 貸切バス運送約款 | 運送の引受け、運送契約の成立、取消料、運送責任 |
| フェリー標準運送約款 | 乗船券、手荷物、自動車航送、払戻し、旅客の責任 |
おすすめの勉強法は、実際の運送会社を調査してその内容を理解することです。
たとえば、日本航空株式会社(JAL)の国際運送約款や全日本空輸株式会社(ANA)の国際運送約款、および、日本航空・ジェイエア・日本エアコミューター・北海道エアシステム・日本トランスオーシャン航空共通国内旅客運送約款や全日本空輸株式会社の国内旅客運送約款などに、確認しておくとよいでしょう。
原文を一字一句覚える必要はありません。 そのうえで、各約款に定められている「○日」「○年」「○人」「○個」「○歳」「○円」「○kg」など具体的な数値をきちんと覚えることが重要です。
約款で数字を覚えるときのチェックポイント
- 取消料が発生する日数
- 申込金・違約金・補償金などの金額
- 損害発生時の通知期間
- 団体・グループに関する人数
- 手荷物の個数・重量・金額
- 小児・幼児など年齢区分
- 宿泊約款における申込金、違約金、客室使用時間
一般貸切旅客自動車運送事業標準運送約款は、国土交通省から発行されています。原文に目を通しておくとよいでしょう。原文を一字一句覚える必要はありませんが、まずは全体の構成を確認しておくと、テキストや問題集の理解が進みやすくなります。
宿泊約款のおすすめ勉強法
宿泊約款では、モデル宿泊約款が対象となります。
モデル宿泊約款は、国土交通省から発行されています。一度、原文に目を通しておくとよいと思います。どのような項目が定められているか確認しておきましょう。
具体的な宿泊施設の宿泊約款を調査するとモデル宿泊約款からアレンジしている箇所が分かってくると思います。
例えば、日本を代表する高級ホテルである帝国ホテル東京の宿泊約款を見てみましょう。「別表第1の宿泊料金等の算定方法」を抜き出しました。

(出典:帝国ホテルのサイト https://www.imperialhotel.co.jp/j/terms/)
次は、ビジネスホテルチェーンの東横インの宿泊約款です。同じく「別表第1:宿泊料金等の内訳」です。

(出典:東横INNのサイト https://www.toyoko-inn.com/hotel_rules/)
もう一つ、石川県和倉温泉の高級旅館の加賀屋の宿泊約款です。同じく「別表第1 宿泊料金の算定方法」です。

(出典:加賀屋のサイト https://www.kagaya.co.jp/fyi/yakkan.php)
帝国ホテル東京、東横イン、加賀屋と並べてみると、宿泊料金の算定方法だけでも、サービス料、宿泊税、入湯税など違いがあることが分かります。そのほかの条項や別表についても、違いを調べてみると面白いと感じるのではないでしょうか。宿泊約款の基本型は同じでも、宿泊施設によって特徴があることが分かります。
このように実際の宿泊施設の宿泊約款を調べることで宿泊約款の理解が進むと思います。
| 項目 | 帝国ホテル東京 | 東横INN | 加賀屋(和倉温泉) |
|---|---|---|---|
| サービス料 | 15% | なし | 15%〜20% |
| 宿泊税 | 課税(東京都) | 課税(各自治体) | なし |
| 入湯税 | なし | なし | 課税(温泉地) |
| 子供料金 | (※規定あり) | (※規定あり) | 大人料金の70%〜30% |
最後は問題集で、数字と条項を定着させる
約款は、読んだだけでは理解したつもりになりやすい分野です。 実際に問題を解くと、取消料の日数、契約成立時期、補償金、手荷物、宿泊料金、責任範囲など、覚えきれていない数字や条件がはっきりします。
筆者は、基本テキストとは別の出版社である大原の「旅行業務取扱管理者試験 標準トレーニング問題集 2 旅行業法・約款」を使いました。 テキストと違う切り口の問題に触れることで、知識の偏りを防ぎやすくなります。
解けなかった問題や、正解したものの理由を説明できなかった問題には印を付け、3回繰り返して確認しました。 約款は数字と条件が問われやすいため、問題集で反復することが重要です。
実際に旅行するつもりで読むと、約款は理解しやすい
約款の勉強では、実際に旅行を予約するつもりで、ツアーを申し込む場面、航空券を購入する場面、ホテルを予約する場面を思い浮かべながら読むと、取消料、契約成立時期、手荷物、宿泊料金、違約金などの意味が具体的に見えてきます。
旅行者として「どのタイミングで契約が成立するのか」「いつから取消料がかかるのか」「トラブル時に誰がどこまで責任を負うのか」を考えると、条文の意味が具体的に見えてきます。旅行業者としてはもちろん、旅行者としても知っておいて損はない知識だと思います。
最良の勉強法は実際に旅に出ることですが、全国をくまなく回るには時間もお金もかかります。可能な範囲で各地を回ってみましょう。
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