白水阿弥陀堂に行ってみたいけど,見どころは何だろう?
白水阿弥陀堂まで行くのなら,周辺の観光地も合わせてまわってみたいけど,どのように旅行プランを作ればいいのか分からない。
野兎八兵衛(のうさぎ はちべえ)です。国家資格「総合旅行業務取扱管理者」を持つ野兎八兵衛が,白水阿弥陀堂とその周辺の見どころを案内し,白水阿弥陀堂を含めた旅行プランの作り方を説明します。
本記事の内容
- 白水阿弥陀堂とその周辺の見どころ
- 白水阿弥陀堂を含めた旅行プランの作り方
白水阿弥陀堂とその周辺の見どころがわかり,白水阿弥陀堂を含めた旅行プランを作れるようになると思いますよ。
白水阿弥陀堂に行く前に知っておきたいこと
白水阿弥陀堂とは
白水阿弥陀堂(しらみずあみだどう)は,真言宗智山派の菩提山無量寿院願成寺の仏堂です。
平安時代後期の1160年(永暦元年)に,当時いわき地方を治めていた岩城則道(いわきのりみち)の妻・徳姫(とくひめ)が,則道の死後,その菩提を弔うために発願して願成寺を建立し,阿弥陀堂を設けました。徳姫は,平泉で栄華を誇った奥州藤原氏の初代・藤原清衛(ふじわらきよひら)の娘です。藤原清衡は,平泉に金をふんだんに使った中尊寺金色堂を建立するなど,東北に平和で豊かなを都市を築きました。
藤原清衡の娘・徳姫は,いわき地方を治めていた岩城則道(いわきのりみち)に嫁ぎます。平泉を中心とした奥州藤原氏の影響範囲は,現在の福島県まで広がっていたことが分かります。白水阿弥陀堂が建つ白水という地名は,平泉の「泉」の字を「白」と「水」に分けて,白水としたと言われています。また,いわき市中心部の平(たいら)地区は,平泉の平から取ったとされています。
江戸時代には,寺領10石を与えられるなど為政者に保護されてきました。
1952年(昭和27年)に国宝に指定され,1956年(昭和31年)に保存修理が行われました。東北地方に現存する平安時代の建築物は,平泉の中尊寺金色堂,宮城県角田市にある高蔵寺阿弥陀堂,および白水阿弥陀堂の3棟しかありません。福島県では唯一の国宝建造物です。
1957年(昭和32年)の発掘調査で浄土庭園が確認されて,1966年(昭和41年)には国の史跡に指定され,創建当初の姿に庭園が復原されました。
2011年(平成23年)には,東日本大震災により損傷を受けましたが,修復を終え,翌2012年(平成24年)に拝観が再開されました。2015年(平成27年)には,JR東日本の「大人の休日倶楽部」のCMで,東日本大震災による損傷を修復する様子が取り上げられました。
2023年(令和5年)には,台風13号に伴う豪雨によって地域一帯が浸水し,白水阿弥陀堂も床上浸水の被害を受けました。建物に損傷はなく,文化庁の調査で国宝の価値に毀損は無いと判断されています。現在は,復旧作業を終え,拝観を再開しています。
白水阿弥陀堂の見どころ
白水阿弥陀堂の見どころは,阿弥陀堂および浄土庭園です。
白水阿弥陀堂は,平泉から嫁いできた徳姫の発願により建設されたため,平泉の中尊寺金色堂を模したとされ,桁行(けたゆき)と梁間(はりま)が同じ長さである,底辺が一辺が3間の正方形(方三間)をしている四面堂です。4つの屋根が全てが三角形となっている宝形造(ほうぎょうづくり)で,美しく緩やかな曲線を描く勾配の大きな屋根が特徴です。
白水阿弥陀堂の内部には,本尊である木造の阿弥陀如来像とその脇侍像2体,および木造の持国天立像と多聞天立像が安置されています。堂内は,当初は天井や壁などが絵画で荘厳されていましたが,現在は痕跡が一部残っているだけです。
作家の五木寛之は百寺巡礼で白水阿弥陀堂を訪ね,「白水阿弥陀堂の正面に立つと、その美しさに、あらためて胸を衝かれるような気がした。なめらかな屋根のライン、質素でありながら重厚なたたずまい。想像していた以上にすばらしいお堂である。建物は間口も奥行も三間で、約 5.45mにすぎない。その〝 小ささ〟という点でも、たしかに平泉の金色堂に通じるところがある。小さいにもかかわらず、存在感 が大きいのだ」と賞賛しています。
浄土庭園とは,極楽浄土を現世に表現すべく金堂や仏堂の前に園地を配置する庭園形式です。浄土思想が盛んになった平安時代後期に,その影響を受け多く築造されました。1053年(天喜元年)に建立された,京都・宇治の平等院鳳凰堂が有名です。
白水阿弥陀堂は南面して建っており,背後の北側には蓮の花に例えられる経塚山があります。前には左右に大きな池があり,東側に夕日滝の,西側には朝日滝の跡があります。参拝する際には,南側から,俗界と極楽浄土とを結ぶ中島を,反り橋と平橋の2つの橋を渡って向かいます。
浄土庭園には,多くの草木が整備され,夏には古代蓮が咲き誇り,秋には阿弥陀堂の右手前の大イチョウが色づき,モミジがライトアップされます。ゆっくり気の向くまま,浄土庭園を楽しみましょう。
白水阿弥陀堂へのアクセス
白水阿弥陀堂は,福島県いわき市に位置しています。
いわき市は,1966年(昭和41年)に,磐城市,内郷市,常磐市,平市,勿来市,石城郡小川町,遠野町,四倉町,川前村,田人村,三和村,好間村,双葉郡久之浜町,大久村の5市4町5村が合併して成立しました。当時としては面積が日本一広い市でした。
自動車でのアクセス
白水阿弥陀堂に自動車で行くには,常磐自動車道いわき湯本インターチェンジから約6kmです。
レンタカーは,JR常磐線のいわき駅で借りるのが便利です。エアトリで借りられるレンタカーの格安料金を比較し,予約できます。
白水阿弥陀堂には30台が駐車できる無料の駐車場があります。大型車も駐車可能です。
鉄道でのアクセス
白水阿弥陀堂の最寄り駅は,JR常磐線の中郷駅です。中郷駅から白水阿弥陀堂までは西へ約2.2kmです。中郷駅には各駅停車しか停まりませんので,いわき駅からバスで向かうのが便利です。新常磐交通株式会社の路線バスで,いわき駅前から川平(かわだいら)行きに乗ってあみだ堂バス停下車約400mです。途中で中郷駅から約200mの中郷駅入口バス停に停まります。
東京駅からは,特急ひたちで,いわき駅まで約2時間16分です。仙台駅からは,特急ひたちで,いわき駅まで約2時間です。
長距離バスでのアクセス
東京方面からは,東武バス,新常磐交通,ジェイアールバス関東の共同運行で,東京駅八重洲南口から,いわき駅まで,約3時間3分です。
福島方面からは,福島交通と新常磐交通の共同運行で,福島競馬場前バス停始発で,福島駅東口バス停などを経由して,いわき駅などに停車する,上荒川バス停行きの高速バスを運行しています。福島駅東口バス停からいわき駅バス停まで約2時間です。
会津若松,郡山方面からは,会津バス,福島交通,新常磐交通の共同運行で,鶴ヶ城・合同庁舎前バス停始発で,若松駅前ターミナルなどを経由して,郡山駅前やいわき駅などに停車する,上荒川バス停行きの高速バスを運行しています。若松駅前ターミナルからいわき駅まで約3時間です。郡山駅前からいわき駅までは約1時間40分です。
仙台方面からは,新常磐交通の運行で,仙台駅東口バス停始発で,いわき駅などに停車する,上荒川バス停行きの高速バスを運行しています。仙台駅東口バス停からいわき駅バス停まで約3時間です。
いわきへの高速バスは,高速バス比較サイト【バスブックマーク】で,検索・予約できます。
飛行機でのアクセス
白水阿弥陀堂に最も近いのは,福島空港です。ANAが,札幌新千歳,大阪伊丹と福島を結んでいます。大阪伊丹空港とを結ぶ便はIBEXエアラインズとの共同運行です。
福島空港発着の航空券は,国内格安航空券・LCCの比較・予約なら【トラベリスト】で,日にち,時間帯,座席グレード,航空会社などの条件を設定して,最安値を検索し,予約できます。
福島空港から,白水阿弥陀堂までは,約60kmです。バスの場合は,いったん郡山駅に出る必要があります。
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白水阿弥陀堂を訪ねるための宿泊地
白水阿弥陀堂を訪ねるには,いわき市内に宿泊するのがオススメです。旅の日程,人数,スタイルなどに合わせて選びましょう。
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楽天のサービスでは,楽天トラベルだけではなく,楽天市場でのショッピングや楽天カードの新規入会などで,楽天ポイントだけではなく,モッピーのポイントが貯まります。ポイントの二重取りです。
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白水阿弥陀堂を訪ねる旅で楽しみたい食事
岩手県,宮城県,福島県沖の海は,南からの暖かい黒潮と北からの冷たい親潮がぶつかる海域で,栄養が豊富で,世界三大漁場のひとつに数えられています。
いわき市では,東日本大震災および東京電力福島第一原子力発電所事故後の,水産物に対する風評被害を払拭するために,2012年(平成24年)からカジキ料理による町おこしを進めてきました(参考:いわき市のカジキグルメ実行委員会ホームページ )。
いわき市内には,カジキ料理を提供する飲食店が多数ありますので,訪れた際には寄ってみてはいかがでしょうか。
カジキ料理はたくさんありますが,一般社団法人ウォーターフロント協会が,2011年(平成23年)から毎年開催している,みなとオアシスSea級グルメ全国大会の,2012年に小名浜港で開催された第2回みなとオアシス Sea級グルメ全国大会でグランプリを獲得したカジキメンチが有名です。
出典:みなとオアシスSea級グルメ全国大会のサイト https://www.waterfront.or.jp/oasisu/seaqg/seaqg_view/391
カジキメンチは,オンラインでも購入できます。ご自宅でもいかがでしょうか。
白水阿弥陀堂の周辺の見どころと旅行プランの作り方
ルート作成の考え方
白水阿弥陀堂と浄土庭園を巡るためには,1時間~1時間半程度あればいいと思います。
白水阿弥陀堂には,東京や仙台から日帰りで訪れることも可能ですが,周辺に見どころが多いので,できれば一泊して周辺の見どころを組み合わせて巡るのがオススメです。
ルート例①:炭鉱と温泉を楽しむ湯本ルート
いわき市といえば,スパリゾートハワイアンズを思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。スパリゾートハワイアンズは,東京証券取引所スタンダード市場に上場している常磐興産株式会社が運営しています。
いわき湯本温泉は,1300年以上の歴史があり,当時この地は「佐波古(さはこ)」と呼ばれていたそうです。いわき湯本温泉は,有馬温泉(兵庫県),道後温泉(愛媛県)と並んで日本三古泉と呼ばれています。
JR湯本駅の西側に温泉街が形成されており,日帰り入浴施設「さはこの湯」もあります。
明治時代になると,茨城県北部から福島県浜通り南部にかけて炭鉱開発が始まります。開発に伴って,坑内から大量の温泉が出水したことから,1919年(大正8年)に,いわき湯本温泉での湧出は止まってしまいます。1942年(昭和17年)になってようやく,炭鉱との協議により温泉が復活しました。
JR湯本駅の北約1.0kmの場所に,いわき市石炭・化石館ほるるがあります。いわき市石炭・化石館ほるるは,2022年(令和4年)に発生した福島県沖地震によって竪坑櫓が被害を受け休館していましたが,2024年(令和6年)4月25日に一部で再開しました。
いわき市石炭・化石館ほるるは,常磐炭田の歴史および,1968年(昭和43年)に,いわき市の高校生が発見した化石「フタバサウルス・スズキイ」を中心とした化石に関する資料を展示しています。
常磐炭田は,首都圏に近いことから,鉱工業地帯として発展してきます。しかしながら,戦後の高度経済成長に伴い,国内の多くの炭鉱と同様に採算が悪化し,観光業に転換することで生き残りを図りました。
1966年(昭和41年)に,常磐ハワイアンセンター(1990年(平成2年)にスパリゾートハワイアンズに改名)を開業し,成功を収めます。この経緯は,2006年(平成18年)に公開された映画「フラガール」に描かれ,第30回日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞しています。閉鎖が見込まれる東北の炭鉱町を南国ハワイの楽園に生まれ変わらせる苦悩と努力の実話を,松雪泰子,豊川悦司,蒼井優,山崎静代などが演じる感動作です。
1976年(昭和51年)に,常磐炭鉱は閉山しました。
いわき湯本温泉の最寄り駅であるJR湯本駅から南に約850mのところにある金刀比羅神社は,日本三大金毘羅宮のひとつと言われています。いわき市の金刀比羅神社では毎年1月10日に例大祭が開催され,JR湯本駅から多くの露店が軒を連ね,大変賑わいます。
当ブログでは,金刀比羅宮の総本宮である,香川県の金刀比羅宮を訪ねる旅のガイドとプランの記事を掲載しています。よろしければ,そちらもどうぞ。
ルート例②:海の恵みを感じ考える小名浜ルート
白水阿弥陀堂から南へ約15kmの,いわき市の小名浜地区を巡るルートです。
小名浜地区には,東北地方最大級の水族館「アクアマリンふくしま」,いわき市の観光物産センター「いわき・ら・ら・ミュウ」,イオンモールいわき小名浜などの商業施設,高さ約60mのいわきマリンタワー,駆逐艦「汐風」が防波堤として埋設された地などがあります。いわき・ら・ら・ミュウからは株式会社小名浜デイクルーズが,観光遊覧船「サンシャインシーガル」 を就航しており,小名浜港を海から楽しむことができます。ショッピングもグルメも観光も楽しめるエリアです。
小名浜地区には,周辺の商業施設と共用の多くの無料駐車場があります。公共交通機関の場合は,JR常磐線の泉駅(特急停車駅)から新常磐交通の路線バス(小名浜・江名方面)でイオンモールいわき小名浜バス停まで約15分です。下車後徒歩約5分です。
アクアマリンふくしまの正式名称はふくしま海洋科学館といいます。福島県が出捐(しゅつえん)して設置された公益財団法人ふくしま海洋科学館が管理運営しています。
アクアマリンふくしまは,黒潮と親潮がぶつかる潮目の海をテーマに約800種の生物を展示しています。また,アクアマリンふくしまは,「海を通して『人と地球の未来』を考える」の理念のもとに、環境水族館を宣言をしています。
体験型水族館として,体験型教育に力を入れており,魚を釣って調理して食べられたり,魚に餌をやったりといった体験や,水族館の裏側を紹介するバックヤードツアーなど様々なイベントを提供しています。
最大の見どころは,福島県沖でぶつかる黒潮と親潮を再現した巨大水槽です。黒潮と親潮の境目に三角形のトンネルがあり,トンネルの両側で異なる魚が泳いでいるのを確認できます。
三角形のトンネルの前に,「潮目の海」という寿司店があります。水槽を泳いでいるマグロを見ながら,マグロの寿司をいただくことができます。水族館で魚を見ながら寿司を食べるのは違和感があるかもしれません。アクアマリンふくしまは,資源量の少ない水産資源を避けて,資源量が豊富な魚介を食べるHAPPY OCEANS(ハッピーオーシャンズ)という考え方を取り入れており,館内の寿司店も水産資源の持続可能性について考えさせる教育的な役割を担っています。寿司店「潮目の海」だけではなく,アクアマリンふくしま内のレストランも,HAPPY OCEANSメニューを提供しています。
なお,寿司店「潮目の海」はアクアマリンふくしまに入館する必要がありますが,寿司店「潮目の海」を展開している株式会社アクアマリンパークウェアハウスが経営している,「潮目の海」という観光施設が,アクアマリンふくしまといわき・ら・ら・ミュウの間にあります。旧名である小名浜美食ホテルの方が通じるかもしれません。ホテルとありますが,宿泊施設ではなく,イタリアンレストランや小名浜漁師料理店,地物の海産物などの物販店,駄菓子屋やハワイアン雑貨の店などが入っています。観光施設「潮目の海」のレストランでも,美味しいシーフードをいただくことができます。株式会社アクアマリンパークウェアハウスは,駅弁販売なども手がけています。
アクアマリンふくしまには,たくさんの体験施設がありますが,特に子どもたちに人気があるのが海辺の環境を再現した「蛇の目ビーチ」です。水に入って生き物に触れられる施設(タッチプール)でしたが,動物福祉の観点から,2024年4月からタッチプールとしての運営を止め,水に入って生き物を観察できる施設となりました。
アクアマリンふくしまは,2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本大震災で4.2mの津波に襲われました。施設の1階が全部水没し,来館者やスタッフら80人は3階に避難し,人的被害はありませんでした。その際の様子は,2011年(平成23年)3月19日に発行された「アクアマリンふくしま被災報告(第一報)」に詳しく述べられています。是非ご一読ください。
スタッフらの懸命な世話にもかかわらず,展示している生物の9割が命を落としてしまいました。アクアマリンふくしまでは,館内学習のひとつとして震災学習プログラムを提供しています。震災後の状況や再オープンまでの様子をシアターなどで説明しています(団体対象・事前予約制)。アクアマリンふくしまは,震災の約4ヶ月後に営業を再開しました。
ルート例③:茨城県北部を巡るルート
いわき市は南側が茨城県北茨城市と接しています。
北茨城市の五浦(いづら)海岸に六角堂があります。白水阿弥陀堂から約30kmです。
常磐自動車道のいわき勿来インターチェンジから約10kmです。六角堂の近くに北茨城市営の無料駐車場があります。JR常磐線大津港駅から,北茨城市巡回バスで五浦バス停で下車すぐです。
六角堂は,美術家で思想家の岡倉天心(1863年(文久2年)〜1913年(大正2年))が,自身の別荘地に思索にふけるための場所として,1905年(明治38年)に建設しました。現在は,国立大学法人茨城大学が五浦美術文化研究所として管理しています。六角堂だけではなく,岡倉天心の邸宅や天心記念館などがあります。
岡倉天心は英語が堪能で,アメリカの東洋美術史家であるアーネスト・フェノロサの助手として,美術品の調査や蒐集を手伝いました。明治維新以降,西洋の美術が急速に流入する中で,軽視されがちな日本の美術の価値を再認識し,ボストン美術館の中国・日本美術部長を歴任するなど,日本の美術や文化を広く海外に紹介しました。
1890年(明治23年)に設立された,現在の国立大学法人東京藝術大学美術学部の前身である東京美術学校の,事実上の初代校長となります。副校長にフェノロサを招きました。その後,東京美術学校の教官には,黒田清輝,藤島武二,横山大観,下村観山,菱田春草などが就いています。
1898年(明治31年)に起こった東京美術学校騒動により東京美術学校を辞し,日本美術院を創設しました。現在も続く春の院展や秋の再興院展は,日本美術院が開催しています。
1906年(明治39年)に,日本美術院は経営が困窮し拠点を五浦に移し,岡倉天心も自らも五浦に居住します。横山大観,菱田春草,木村武山,下村観山も五浦へ移住しました。
1913年(大正2年),慢性腎臓炎が悪化し療養していた新潟県妙高市の赤倉温泉の山荘で亡くなります。赤倉温泉にも六角堂があります。岡倉天心の功績を記念して1959年(昭和34年)に建てられたものです。堂内には平櫛田中作の岡倉天心の金色の胸像が安置されています。
六角堂は,2011年(平成23年)の東日本大震災の津波によって,土台を残して流失してしまいましたが,2012年(平成24年)に再建されました。
岡倉天心が設立した東京美術学校の第一期生である横山大観の作品は,島根県の足立美術館が最大のコレクションを所有しています。
当ブログでは,足立美術館を訪ねる旅のガイドとプランの記事で,横山大観に触れています。よろしければ,そちらもどうぞ。
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白水阿弥陀堂を旅するための基礎データ,オススメのガイドブック
白水阿弥陀堂を旅するための基礎データ
白水阿弥陀堂の基礎データは以下です。
1月~11月の第4水曜日,2月3日(節分会),春分・秋分の日(彼岸会),8月12~16日(盂蘭盆会),8月24日(万灯会),12月20~31日(寺務納め、元朝会準備等)など,拝観できない日があります。
項目 | 内容 |
---|---|
名称 | 菩提山無量寿院願成寺白水阿弥陀堂 |
郵便番号 | 〒973-8405 |
住所 | 福島県いわき市内郷白水町広畑221 |
電話番号 | 0246-26-7008 |
公式ウェブサイト | http://shiramizu-amidado.org/ |
白水阿弥陀堂を旅するためのオススメのガイドブック
インターネットで検索すれば最新の情報が得られますが,旅にはガイドブックがあった方がいいと思います。やはり手元にまとまった情報があるのは安心です。必要に応じてインターネットで最新の情報を補完しましょう。
国内旅行のガイドブックを発行している会社は,株式会社昭文社,株式会社JTBパブリッシング,株式会社地球の歩き方などが大手です。
地図を得意とする旺文社は,まっぷる,ことりっぷ,COLOR+,山と高原地図,ツーリングマップルなどを発行しています。まっぷるは旺文社が得意とする地図に優位性があると言われています。ことりっぷは,国内版は「週末に行く小さな贅沢、自分だけの旅」をコンセプトとした”旅好きの女性が週末に行く、2泊3日の小さな旅を提案する国内ガイドブック”(ことりっぷサイト)です。
旅行代理店国内最大手の株式会社JTBの子会社であるJTBパブリッシングはるるぶ,楽々,ココミル,ララチッタ,時刻表などを発行しています。るるぶは「見る」「食べる」「遊ぶ」の最後の文字を組み合わせた誌名からして幅広い情報に優れているとされています。
まとめ
- 白水阿弥陀堂は,東日本大震災や台風による洪水被害を乗り越え,美しい御堂と極楽浄土を表現した浄土庭園が見どころ。
- いわき市は,常磐炭田の中心都市として発展してきたが,石炭産業が斜陽化し温泉を活かした観光業で生き残りを図ってきた,炭鉱の歴史を知った上でスパリゾートハワイアンズなど温泉を楽しむのがオススメ。
- 小名浜地区には,商業施設などが集積しグルメやショッピングを楽しめる。黒潮と親潮がぶつかる潮目の海を再現したアクアマリンふくしまを訪ねよう。
- 茨城県側の五浦(いづら)地区の風光明媚な海岸線と,日本美術の歴史を学ぶのもいい。
白水阿弥陀堂とその周辺の見どころを案内し,白水阿弥陀堂を含めた旅行プランの作り方を説明しました。
旅する際には,最新の情報を確認しましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。良い旅を!