世界遺産に指定された天草の﨑津集落に行ってみたいけど,見どころは﨑津教会だけなのかなぁ。どのくらいの時間を想定しておけばいいの?
天草の崎﨑津集落だけではなく,周辺の観光地も合わせて楽しみたいけど,どのように旅行プランを作ればいいのか分からない。
野兎八兵衛(のうさぎ はちべえ)です。国家資格「総合旅行業務取扱管理者」を持つ野兎八兵衛が,天草の﨑津集落とその周辺の見どころを案内し,天草の﨑津集落を含めた旅行プランの作り方を説明します。
本記事の内容
- 天草の﨑津集落とその周辺の見どころ
- 天草の﨑津集落を含めた旅行プランの作り方
天草の﨑津集落とその周辺の見どころがわかり,天草の﨑津集落を含めた旅行プランを作れるようになると思いますよ。
天草の﨑津集落に行く前に知っておきたいこと
天草の﨑津集落とは
﨑津(さきつ)集落は,現在の行政区分では熊本県天草市河浦町に含まれ,天草下島に位置し羊角湾と呼ばれる日本の渚100選にも選ばれた古くからの天然の良港を有する小さな漁村集落です。さきつのさきは「﨑」です。
﨑津集落には,トウヤと呼ばれる海に出るための小道やカケと呼ばれる海にせり出した作業場などがあります。
﨑津集落は,禁教時代に仏教・神道・キリスト教が共存しながら信仰を続けた潜伏キリシタンの集落として,2018年に世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として登録されました。
「天草の﨑津集落」は、潜伏キリシタンが何を拝むことによって信仰を実践したのかを示す4つの集落のうちの一つである。
出典:長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産ウェブサイト https://kirishitan.jp/components/com004
禁教期の﨑津集落の潜伏キリシタンは、大黒天や恵比須神をキリスト教の唯一神であるデウスに、アワビの貝殻の内側の模様を聖母マリアにそれぞれ見立てるなど、漁村特有の生活や生業に根差した身近なものをキリシタンの信心具として代用するということによって信仰を実践した。
﨑津教会とは
﨑津教会は,世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として登録された天草の﨑津集落内にある教会です。カトリック福岡司教区に属しています。
﨑津教会は、長崎の建築家・鉄川与助によって設計されたゴシック様式の教会で、現在の教会は、1934年(昭和9年)、フランス人宣教師ハルブ神父の時代に再建された。
教会は、尖塔の上に十字架を掲げた重厚なゴシック様式で、その堂内は国内でも数少ない畳敷きになっている。
建てられた土地は、ハルブ神父の強い希望で、弾圧の象徴である絵踏みが行われた吉田庄屋役宅跡が選ばれた。この禁教時代に厳しい絵踏みが行われた場所に、現在の祭壇が配置されたと言われている。
1569年(永禄12年)、ルイス・デ・アルメイダ神父によってキリスト教の布教が行われたこの地では、1638年(寛永15年)の禁教令以後、激しい弾圧を受けながらも240年間に渡って「潜伏キリシタン」として信仰が守られてきた。
出典:一般社団法人 天草宝島観光協会のウェブサイト https://www.t-island.jp/spot/86
天草の﨑津集落へのアクセス
天草の﨑津集落は,熊本県天草市河浦町に位置しています。
自動車でのアクセス
天草の﨑津集落までは,熊本駅から天草五橋・本渡市街経由で約115km,牛深港から約26km,鬼池港からは苓北まわりでも本渡まわりでも約47km,天草空港からは国道266号線で約42kmです。
レンタカーは,本渡地区もしくは,熊本市を起終点とするのであれば熊本駅周辺,島原半島をまわるのであれば島原駅や島原港,鹿児島方面は出水駅で借りるのがいいと思います。エアトリで,本渡地区,熊本駅,島原,出水駅などで借りられるレンタカーの格安料金を比較し,予約できます。
﨑津教会には駐車場はありませんが,近隣に観光駐車場として,中町駐車場(5台),下町駐車場 (障がい者専用)(2台),下町南駐車場(9台(車イス2台))があります。﨑津集落内の道路は狭いため,気をつけて運転してください。
また,集落入口に位置し観光案内やパネル展示がある道の駅「﨑津集落ガイダンスセンター」には大型車も駐車可能な駐車場があります。トイレもありますのでここで済ませておくといいと思います。﨑津集落ガイダンスセンターから﨑津教会までは約700mです(天草の﨑津集落散策マップ)。
バスでのアクセス
天草には鉄道はありませんので,公共交通機関の場合は,バスを利用することになります。
産交バスで,JR熊本駅から本渡バスセンターまで快速あまくさ号で2時間40分,本渡バスセンターから一町田中央バス停まで約53分,一町田中央バス停で乗り換えて﨑津集落の入口である﨑津バス停まで約17分です。
下田温泉バス停からは,﨑津バス停までは約45分です。
牛深港からは,本渡バスセンター行きで新丸山バス停まで約32分,新丸山バス停で乗り換えて﨑津バス停まで約10分です。
鬼池港,富岡港,天草空港からは,いったん本渡バスセンターに出る必要があります。
天草島内はバスの本数が限られているので,路線図と時刻表を参照にしてしっかり計画を策定しておきましょう。
産交バスでは,あまくさ乗り放題きっぷを販売しています。あまくさ乗り放題きっぷは,快速あまくさ号の往復と天草島内の路線バスが乗り放題で,2日間用と3日間用があります。観光施設や物産の割引特典も付いていて,おトクです。バス代を都度払う手間も省け割引も受けられるので,天草をバスで巡るには必須ですね。オススメです。天草島内では購入できず,熊本市の熊本城近くのSAKURA MACHI Kumamoto 2階のサクラマチスクエア内バス案内所でのみ販売されているので注意が必要です。
飛行機でのアクセス
天草の﨑津集落に最も近い空港は,天草空港です。天草空港には,天草エアラインが,熊本空港,福岡空港との間を就航しています。全路線がJALとの,天草発着便の全路線がANAとの,コードシェア便です。
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天草エアライン株式会社は,1998年(平成10年)に,熊本県(53%),天草2市1町(27%),民間(20%)出資の第三セクタ-として発足しました。たった一機の飛行機しか保有していない日本最小の航空会社です。運行開始当初から赤字が続き2007年(平成19年)に債務超過寸前になりましたが,社長に日本航空出身の奥島透が就任し,さまざまな改革を経てV字回復を果たしました。その奮闘をまとめたのが「天草エアラインの奇跡。」です。興味を持たれた方は,是非一読ください。
﨑津教会の拝観方法・注意点
﨑津教会を拝観するには事前予約が必要です。ガイドの予約もできます。
宗教行事が開催されるなど拝観できない日時がありますので注意が必要です。
﨑津教会は,いまも信者の方々が祈りを捧げる信仰の場です。以下の拝観マナーを守り,節度を持って拝観してください。
- 教会内への一般車の進入は禁止されています。
- 教会内の写真撮影は禁止されています。
- 教会の敷地内でのタバコは灰皿のある場所でお願いします。
- 教会内は土足禁止です。
- 教会内へのペットの入館は禁止です。(抱いたままでも。)
- 教会内にあるものに勝手に触れないでください。
- 教会内は静かに拝観してください。
- 教会内では携帯電話の電源を切るか、マナーモードにしてください。
- ミサ、結婚式、お葬式等の儀式中の入館はご遠慮ください。
- 教会の鐘は勝手に鳴らさないでください。
- 服装は祈りの場にふさわしいものを。極端に肌の露出が多いものはさけてください。
出典:﨑津集落ガイダンスセンターウェブサイト http://sakituguidance.amakusa-web.jp/MyHp/Pub/
天草の﨑津集落のオススメの巡り方
﨑津集落は小さな集落ですので,気の向くまま,のんびりと歩き回ってみましょう。散策時間として1時間確保しておくと安心です。事前予約が必要ですが,ガイドをお願いすることもできます。
散策の順番にルールはありませんが,﨑津資料館みなと屋で知識を得てから,崎津教会,﨑津諏訪神社を巡るのが,建物の並びからしても自然な順番になります。飲食店や土産物屋もその周辺に集まっています。トウヤやカケを探しながらぶらぶらするのも楽しいです。この長閑な集落に潜伏していたキリシタンのくらしを想像してみてはどうでしょうか。
﨑津諏訪神社からは,神道とキリスト教が共存している様子がわかる,鳥居の向こうに﨑津教会が見える風景があります。
南部の天草漁協﨑津直売所『きんつ市場』の先まで行くと,海に向かって建つマリア像が見えます。ここからの夕景は天草夕陽八景の一つに数えられています。マリア像を海上から見られるクルージングができるツアーもあります。
天草の﨑津集落を訪ねるための宿泊地
﨑津集落内には,一棟貸しの民泊施設があります。
オススメは,﨑津集落から北に約18kmに位置する下田温泉です。バスでも約47分です。下田温泉旅館組合には,9件の宿泊施設が掲載されています。旅のスタイルに応じて選べばいいと思います。東シナ海・天草灘に沈む夕日は日本の夕陽百選にも選ばれており,天候に恵まれれば素晴らしい景色が観賞できるでしょう。また,下田温泉は火山性ではなく地層の摩擦熱で温められた水が吹き出したものと言われる非常に珍しい温泉で,加温,加水,循環を行っておらず,源泉掛け流しの温泉です。
本渡地区であれば,宿泊施設の種類も数も多く選択肢が広がるでしょう。
筆者は,下田温泉の茫洋閣に宿泊しました。建物の古さは否めないものの,少しずつ改修を進めているとのことでした。特筆すべきは,天草の新鮮な食材を中心にした食事で,どの料理も大変美味しかったです。
なお,天草地域では,一年中しめ縄を飾っています。これは,キリシタンではないことを示すために飾っていた風習の名残だということです。﨑津集落でも多く見かけました。
宿泊施設の予約をする際に,ポイントサイトを利用するとお得に泊まれることをご存じでしょうか?
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ポイントサイトとは,ウェブマーケティング手法のひとつで,フリーペーパーのオンライン版と考えればいいと思います。ポイントサイトに掲載されている広告を見てサービスを利用するとポイントがもらえます。このポイントは現金や他のポイントに交換できますし,さらに上手に使えば実質的な宿泊料金の節約が可能です。いわゆるポイ活です。
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このようにポイントサイトを経由して買い物することを続けていくと,結構な額のポイントを貯めることができます。これがポイ活の威力です。
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﨑津集落から,下田温泉を経て鬼池港に向かう国道389号線は,天草西海岸サンセットラインと呼ばれる東シナ海に沈む夕陽が美しいドライブコースです。特に下田温泉と九州電力苓北火力発電所の間は海岸線を走るので素晴らしい夕景を見ながらドライブすることができます。運転には十分注意してください。﨑津集落と下田温泉の間は,国道389号線は内陸部を走るので,国道を少し外れて海岸部に出た西平椿公園や十三仏公園には駐車場もあり,ゆっくり景色を楽しむことができます。十三仏公園には,与謝野鉄幹・晶子夫妻の歌碑があります。後述する「五足の靴」を事前に読んでいくと感慨ひとしおだと思います。
当ブログでは,仁徳天皇陵を訪ねる旅のガイドとプランの記事で,大阪府堺市出身の与謝野晶子に触れています。よろしければ,そちらもどうぞ。
天草の﨑津集落を訪ねる旅で食べたい食事
天草は海に囲まれ海鮮料理が美味しく,地魚を提供する宿や飲食店も多いので,旅の途中で食べる機会はたくさんあると思います。
本記事では天草ちゃんぽんを紹介します。天草ちゃんぽんは,長崎ちゃんぽん、小浜ちゃんぽんと並んで「日本三大ちゃんぽん」の1つに数えられています。
天草ちゃんぽんには,以下の7つのこだわりがあるのだそうです。
- スープは透明なものとする。
- 天草の塩を使用する。
- 天草のこだわり食材(車エビ,たこ,天草産ブランド豚)のどれかがメイン具材として入る。
- オリーブオイルで炒める。
- すり身を入れる(魚とは限らない)。
- オリジナルの後付ソースを別皿で提供する。
- 天草陶器の器を使用する。
天草ちゃんぽんを提供する飲食店は天草に散在していますが,牛深に寄るのであれば,牛深港徒歩すぐの「紅蘭」の牛深名物ばくだんや天草ブランドポークの入った南蛮ちゃんぽんをオススメします。
天草の崎津集落を含めた旅行プランの作り方
天草ロザリオ館と大江教会には寄るべし
大江教会は,世界遺産ではありませんが,キリスト教が解禁されてから天草で最も早く建てられた教会です。﨑津集落と合わせて是非寄ってほしいと思います。
大江教会も信者の方々の信仰の場です。節度を持って拝観してください。
現在の建物は昭和8(1933)年、フランス人宣教師・ガルニエ神父が地元信者と力を合わせて建立しました。
出典:熊本県公式観光サイト https://kumamoto.guide/spots/detail/935
敷地内には、パーテルさんとして親しまれたガルニエ神父の像やルルドの聖母マリア像があり、今でも天草キリシタンのシンボル的な存在となっています。教会内部では、ステンドグラスや素朴で温かみのある天井、窓の装飾などを見ることができます。
※堂内は、写真、ビデオ撮影禁止
﨑津集落と大江教会とは約6km離れています。大浦天主堂バス停があります。
大江教会が建つ丘の下には天草キリシタン資料館「天草ロザリオ館」があります。潜伏キリシタン関連の資料が豊富で,一見の価値があります。天草ロザリオ館を見てから大江教会を拝観するのがオススメです。
1907年(明治40年),雑誌『明星』の詩人,与謝野寛,北原白秋,平野萬里,太田正雄(木下杢太郎),吉井勇の5人が,南蛮文化に憧れ九州を旅する「五足の靴」という紀行文があります。5人が匿名で分担して執筆した紀行文は当時新聞連載されました。当時の社会情勢などもわかり,旅情もかき立てられます。「五足の靴」オススメです。
作家の森まゆみが「五足の靴」の解説とともに足跡を追う紀行文を著しています。現代を旅する私たちのガイドブックにもなっています。事前に読んでおくと訪問したときの感慨も増します。
「「五足の靴」をゆく: 明治の修学旅行」オススメです。
ルート作成の考え方
天草の﨑津集落散策の所要時間は,最低でも1時間,ゆっくりまわっても2時間程度です。天草ロザリオ館と大江教会で要する1時間から1時間半を含めて,3時間程度は確保しておくとゆっくり巡ることができます。
﨑津集落付近には,宿泊施設や飲食店が限られるので,宿泊地や食事場所との関係で様々なルートが考えられます。
ルート例①:天草諸島を満喫する熊本ルート
熊本から﨑津集落に来る,あるいは,﨑津集落から熊本へ行く,ルートです。
1日目に,熊本から天草下島を周遊し本渡あるいは下田温泉に宿泊し,2日目は,三角や天草五橋を観光しながら熊本に戻るルートです。天草松島温泉に泊まって2泊3日としてもいいと思います。逆ルートも可能です。
交通手段は,公共交通機関であれば産交バスのあまくさ乗り放題きっぷを利用するのがオススメです。熊本駅と三角駅間は「A列車で行こう」を利用すると乗り物に変化が出て面白いと思います。レンタカーを利用すればより融通が利くでしょう。
ルート例②:潜伏キリシタン関連遺産を訪れる島原ルート
島原半島南端の口之津港と天草鬼池港を約30分で結ぶ島鉄フェリーを利用して,島原方面から﨑津集落に来る,あるいは,﨑津集落から島原方面に行く,ルートです。運が良ければフェリーからイルカを見ることができます。
1日目に熊本から天草下島を巡って下田温泉または本渡周辺で宿泊し,2日目に島鉄フェリーで島原半島に渡り島原や雲仙に向かうルートです。逆ルートも可能です。
自動車であれば国道389号線を利用できますが,公共交通機関の場合は本渡バスセンターを経由することになります。
島原半島には,天草の﨑津集落と同じく世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」に登録されている,原城跡があります。﨑津集落と合わせて訪問するのもオススメです。司馬遼太郎は「街道をゆく 17 島原・天草の諸道」で島原城を起点にして,大江教会,﨑津教会までを旅しています。
雲仙温泉や島原城などに寄って,諫早方面,鹿島方面から来る,あるいは,向かうことができます。島原港と熊本港は,九商フェリーと熊本フェリーの2社が運航しています。これらのフェリーを利用して,熊本から来る,あるいは,向かうことが可能です。2社は料金と所要時間が異なります。旅のスタイルに応じて選べばいいと思います。九商フェリーは熊本港と熊本駅の間の無料シャトルバスを運行しています。
熊本フェリーは,">全国フェリー予約【スカイチケットフェリー】で予約できます。
ルート例③:自動車では不可能な長崎ルート
天草下島北西部の苓北町にある富岡港と長崎市茂木町にある茂木港を約45分で結ぶ苓北観光汽船を利用して,長崎市中心部から﨑津集落に来る,あるいは,﨑津集落から長崎中心部に行く,ルートです。長崎駅と茂木港とはバスで約25分です。天草西部は,熊本市よりも長崎市の方が距離も時間も近いことが分かります。「五足の靴」の一行もこのルートを辿りました。
カーフェリーではありませんので,自動車を乗せることはできません。また,先述したように,﨑津集落と富岡港との間は直通のバスがなく,いったん本渡バスセンターを経由する必要があります。
1日目は熊本から天草下島を巡って本渡に宿泊し,2日目に本渡バスセンターから富岡港に向かい,嶺北観光汽船を利用して長崎に向かうルートです。逆ルートも可能です。
長崎市にも天草の﨑津集落と同じく世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」に登録されている大浦天主堂があります。
ルート例④:別の文化圏に移る鹿児島ルート
天草下島南部の牛深港と鹿児島県出水郡長島町の蔵之元港を約30分で結ぶ三和フェリーを利用して,鹿児島県出水市から﨑津集落に来る,あるいは,﨑津集落から鹿児島県出水市方面に向かうルートです。蔵之元港とJR出水駅は約40km離れています。三和フェリーでは,九州新幹線との連絡シャトルバスを運行しています。
1日目は熊本や島原から天草下島を巡って牛深に宿泊し,2日目に牛深港から三和フェリーを利用して出水に向かうルートです。逆ルートも可能です。
天草は熊本県なので熊本市の影響があるのは当然としても,島原や長崎は潜伏キリシタン関連の施設も多く,天草と文化的つながりを感じることができます。しかしながら,鹿児島・薩摩は天草とは明らかに異なる文化圏であることが実感できます。
ラムサール条約に登録されているツルの飛来地や,薩摩藩の外城として栄え重要伝統的建造物群保存地区に選定されている出水の武家屋敷群などに寄って,出水駅から来る,あるいは,向かうことができます。
出水駅と鹿児島中央駅は,九州新幹線で約23分です。
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天草の﨑津集落を旅するための基礎データ,参考文献,ガイドブック
天草の﨑津集落を旅するための基礎データ
﨑津教会の基礎データは以下です。
項目 | 内容 |
---|---|
名称 | 崎津教会 |
郵便番号 | 863-1204 |
住所 | 熊本県天草市河浦町崎津539 |
電話番号 | 0969-79-0015 |
天草の﨑津集落を旅するための参考文献
﨑津・大江・本渡教会主任司祭が監修した「天草キリシタン紀行《﨑津・大江・キリシタンゆかりの地》」が参考になります。天草におけるキリスト教の歴史や現在の信者の様子などが写真を中心に紹介されています。
天草の﨑津集落を旅するためのオススメのガイドブック
インターネットで検索すれば最新の情報が得られますが,旅にはガイドブックがあった方がいいと思います。やはり手元にまとまった情報があるのは安心です。必要に応じてインターネットで最新の情報を補完しましょう。
国内旅行のガイドブックを発行している会社は,株式会社昭文社,株式会社JTBパブリッシング,株式会社地球の歩き方などが大手です。
地図を得意とする旺文社は,まっぷる,ことりっぷ,COLOR+,山と高原地図,ツーリングマップルなどを発行しています。まっぷるは旺文社が得意とする地図に優位性があると言われています。ことりっぷは,国内版は「週末に行く小さな贅沢、自分だけの旅」をコンセプトとした”旅好きの女性が週末に行く、2泊3日の小さな旅を提案する国内ガイドブック”(ことりっぷサイト)です。
旅行代理店国内最大手の株式会社JTBの子会社であるJTBパブリッシングはるるぶ,楽々,ココミル,ララチッタ,時刻表などを発行しています。るるぶは「見る」「食べる」「遊ぶ」の最後の文字を組み合わせた誌名からして幅広い情報に優れているとされています。
株式会社地球の歩き方が発行し,株式会社学研ホールディングス傘下の出版社Gakkenが,地球の歩き方を発売しています。地球の歩き方は,海外向けのイメージが強いですが,最近は国内版も発行されています。地球の歩き方の女子向けとしてarucoも発行しています。
国内旅行のガイドブックは都道府県別が多いですが,地球の歩き方では島旅シリーズで天草を取り上げています。「地球の歩き方 島旅 天草」オススメです。
まとめ
- 天草の﨑津集落だけであれば1時間ほどで散策可能
- 天草ロザリオ館と大江教会には是非とも寄るべき
- 宿泊は下田温泉がオススメ
- 熊本,島原,長崎,鹿児島など多様なルートが可能
天草の﨑津集落とその周辺の見どころを案内し,天草の﨑津集落を含めた旅行プランを説明しました。
旅する際には,最新の情報を確認しましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。良い旅を!