総合旅行業務取扱管理者

総合旅行業務取扱管理者試験の基礎知識と勉強法

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野兎八兵衛

野兎八兵衛(のうさぎ はちべえ)です。総合旅行業務取扱管理者試験に約3か月ほどの独学で一発合格しました。その勉強法をお話しします。

筆者の総合旅行業務取扱管理者試験合格証
筆者の総合旅行業務取扱管理者試験合格証

本記事の内容

  • 総合旅行業務取扱管理者とは
  • 総合旅行業務取扱管理者試験とは
  • 総合旅行業務取扱管理者試験の独学勉強法

総合旅行業務取扱管理者試験の基礎知識と独学での勉強法が分かりますよ。旅行業界で働く人はもちろん,旅好きの人もチャレンジしてみませんか。

総合旅行業務取扱管理者とは

旅行業務取扱管理者は,旅行業界で唯一の資格で,国家資格です。

旅行業務取扱管理者には,総合旅行業務取扱管理者国内旅行業務取扱管理者地域限定旅行業務取扱管理者の3種類があります。

旅行業者等は,登録の範囲に応じて,営業所毎に,総合,国内,地域限定の旅行業務取扱管理者試験に合格した人を選任し業務を行わせることが義務づけられています。

旅行業界で働く人は,持っておいた方がいい資格といえます。

総合旅行業務取扱管理者試験とは

実施者

総合旅行業務取扱管理者試験は,観光庁長官の試験事務代行機関である一般社団法人日本旅行業協会(JATA)が実施する国家資格試験です。

国内旅行業務取扱管理者試験は,観光庁長官の試験事務代行機関である一般社団法人全国旅行業協会(ANTA)が実施する国家資格です。

実施者が異なりますので,気をつけましょう。

試験科目,試験時間,回答方法,合格基準

総合旅行業務取扱管理者試験の試験科目は,「旅行業法及びこれに基づく命令」(100点満点),「旅行業約款、運送約款及び宿泊約款」(100点満点),「国内旅行実務」(100点満点),「海外旅行実務」(200点満点)の4科目です。

試験時間は,第1時限が80分で「旅行業法及びこれに基づく命令」と「旅行業約款、運送約款及び宿泊約款」の2科目,第2時限が120分で「国内旅行実務」と「海外旅行実務」の2科目を,解かなければなりません。

第1時限は基本的に知識問題なので時間的には余裕があると思います。何度か見直すことはできるでしょう。

第2時限の試験には演習問題が含まれ,混乱すると時間を費やしてしまい余裕がなくなってしまうので,確実に演習問題を解けるようになっておく必要があります。

回答は全てマークシート方式です。選択肢から回答を選んでマークします。

合格基準は,全ての科目で60%以上を取ることです。合計の60%以上ではありません。偏りなく勉強する必要があります。

国内旅行業務取扱管理者有資格者などは試験科目の一部免除となるケースがあります。

筆者は,独学で,免除科目がない受験区分A(4科目全てを受験する区分)を受験し,一発合格しました。

難易度と合格率

合格率は,年ごとにばらつきがありますが,だいたい10%程度です。

国家資格試験としては,中程度の難易度と言われています。

年度受験者数(名)合格者数(名)合格率(%)
令和4年度(2022年度)2,06427813.5
令和3年度(2021年度)2,8191756.2
令和2年度(2020年度)4,08675618.5
令和元年度(2019年度)1,82523713.0
平成30年度(2018年度)4,51249511.0
平成29年度(2017年度)4,9364328.8
受験区分A(4科目全てを受験する区分)の受験者数,合格者数,合格率

受験手続・日程・会場・手数料

総合旅行業務取扱管理者試験は,年に1回10月に実施されます。年に1回しかチャンスがないので,計画的に準備しましょう。

令和5年度(2023年度)は,7月5日(水)~8月4日(金)までの消印で郵便局窓口から「簡易書留」で出願願書を送付,8月4日(金)までに受験手数料を支払い,9月26日(火)頃に受験票(葉書)が届き,10月22日(日) 10時30分に試験実施,12月8日(金)11時頃に結果発表となっています。

試験会場は,受験票に記載されています。北海道,東北,関東など地方毎に1~2箇所が指定されています。居住地が試験会場から遠い場合には,前泊が必要となります。

受験手数料は,6,500円です。

詳しくは,日本旅行業協会の「令和5年度 総合旅行業務取扱管理者試験受験案内」のページで確認してください。

受験者

受験者は,男女ほぼ半々で年齢層も広く,筆者が受験した会場でも,概ね男女ほぼ半々で,年齢層も多様でした。

旅行業界で働く人はもちろん,旅好きの人が腕試しで受験しているケースも結構ありそうです。筆者もその一人です。

職業受験者数合格者数合格率
旅行業313247.7%
旅行業者代理業1300.0%
旅行関連業1461913.0%
上記以外の会社員5439717.9%
自営業831416.9%
大学生404389.4%
専門学校生2623513.4%
その他3005117.0%
令和4年度 総合旅行業務取扱管理者試験 職業別一覧表 【全科目受験者】
https://www.jata-net.or.jp/wp/wp-content/uploads/administrator/2022result_vocation.pdf

総合旅行業務取扱管理者試験の独学勉強法

独学を選んだ理由

専門学校に通う方法や通信教育もありますが,筆者は独学を選びました。一番の理由は費用です。専門学校や通信教育では数万円程度かかりますが,独学であれば,教科書や問題集,参考書,過去問などで1万円程度に費用を抑えられます。また,学校に通う場合には授業時間に合わせなければならないのも,ネックとなりました。仕事の都合で必ずしも授業に出られないこともあり得るため,難しいと判断しました。勉強を始めたのが,8月中旬くらいからでしたので,学校は既に始まっていたこともあります。

専門学校に通うほうが,ペースもつかめ,基礎から学べ,同じように学ぶ人とのコミュニケーションもあり,モチベーションの維持にもつながる,という人もいると思います。

通信教育オンライン学習が向いている人もいると思います。地理的・時間的に専門学校に通うことが難しい人や仕事の都合で授業に出られない人などは,通信教育やオンライン学習が向いている人でしょう。旅行業務取扱管理者の通信教育は,LEC東京リーガルマインドユーキャンに講座があります。

独学だけが勉強法ではありません。自分に合う方法を選ぶことが重要です。

筆者は独学を選んだので,自宅で,夜と週末に集中して勉強しました。平日の夜は1時間かせいぜい2時間程度で,週末は3~4時間程度,勉強しました。勉強を始めて3か月ほどで試験だったので,短期間で必要な知識を身につけないという状況であったため,モチベーションが途切れることはありませんでした。

教科書は1冊だけ

教科書は1冊だけとして,通しで3回読むことにしました。

選んだ教科書は,ユーキャンの速習レッスンです。

1回目は,試験範囲や内容を知ることに重点を置きました。筆者は,ただ旅に出ているだけでは知ることが難しい業法や約款などが手強いと感じました。一方で,国内地理はほとんど知っていることでした。海外地理は,旅行や出張で行ったことがある地域のことは知っていましたが,行ったことがない地域では知らないことも結構あることがわかりました。

2回目は,きちんと理解することを意識して読みました。理解できている箇所と理解できていない箇所があることを認識できました。

3回目は,理解したうえで,覚えているかどうかを確認しながら読みました。

問題集は別の会社のもの

教科書を3回読んだ後,問題集を解いてみました。問題集は大原のトレーニング問題集を選びました。教科書がユーキャンなので,偏らないよう別の会社のものを選択しました。

実際に問題を解いてみると,理解できていない箇所や記憶があいまいな箇所が出てくるので,できなかった問題には印を付けておき,つど教科書に戻って確認し,理解を確実にするとともに,記憶の定着を図りました。

筆者が使った問題集
筆者が使った問題集

旅行業務取扱管理者試験 標準トレーニング問題集」をオススメします。

役に立った参考書

参考書としては,時刻表地図帳が役に立ちました。地図帳はGoogle mapでもいいと思います。

また,新聞に掲載されている旅行広告も実際に旅するルートや観光施設がわかるので,日頃から確認するようにしていました。

旅行地理はあまり細かいことは出題されないので,広く浅く知ることが重要だと思います。筆者は,ヨーロッパについては,イギリスやドイツなどは何度か訪れているので,それなり知っていましたが,海外地理でよく出題される,スイスやイタリアおよび中国の観光地にはほとんど行ったことがなかったので,実感がなく覚えるのに苦労しました。

そこで,ガイドブックをみて,実際に旅する計画を作るつもりで,覚えていきました。コロナ禍でもあり,ガイドブックも新しい版が発行されていませんでしたが,主要な観光地はそれほど変わるわけではありませんので,特に問題はありませんでした。

筆者は,地球の歩き方のヨーロッパと中国を参考にしました。ガイドブックとしては広く浅くといった内容ですので,総合旅行業務取扱管理者試験には合っていると思います。

最後に過去問

問題集を解いて,ある程度正答率が上がってきたら,最後に過去問を解きました。旅行業法は2018年1月に大きく改正されているので,それ以前の問題は解きませんでした。

過去問を解くときには,本番の試験と同様に,順番と制限時間を決めて取り組みました。

筆者が使った過去問題集
筆者が使った過去問題集

最大の試験対策は旅すること

最大の試験対策は実際に旅することだと思います。自分でチケットを取り,宿を予約し,観光資源を見て,地元の食を楽しんで,お土産を探してまわれば,自然と様々な知識が身につくと思います。

筆者は,旅好きで国内外にそれなりに旅してきた経験があるので,国内地理はあまり勉強しませんでした。海外地理は行ったことがない地域を中心に勉強しました。むしろ行ったことがある地域は知っていることが多過ぎで混乱してしまうことがありました。

旅のスタイルは人それぞれとはいえ,やはり旅にはお金がかかります。特に海外に行くには飛行機が主な手段となります。そこで,陸マイラーを始めてみてはいかがでしょうか。

当ブログでは,陸マイラーの始め方も掲載しています。初心者向けにていねいにわかりやすく説明しています。

航空券に関する知識も増えますので,一石二鳥かもしれませんよ。

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まとめ

  • 総合旅行業務取扱管理者試験は,旅行に関する国家資格
  • 年に1回しか受験できないので,しっかり準備
  • 独学でも合格可能
  • 旅することが最大の試験対策

総合旅行業務取扱管理者試験に独学で一発合格した野兎八兵衛が,総合旅行業務取扱管理者試験の基礎知識と勉強法を説明しました。

科目毎の対策と勉強法をそれぞれ以下にまとめています。是非ご一読ください。

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受験者の皆さまのご健闘を祈ります。

最後までご覧いただきありがとうございました。良い旅を!

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