
世界遺産に登録された天草の﨑津教会に行ってみたいけど、見どころは﨑津教会だけなのかなぁ。どのくらいの時間を想定しておけばいいの?
天草の﨑津教会だけではなく、周辺の観光地も合わせて楽しみたいけど、どのように旅行プランを作ればいいのか分からない。


野兎八兵衛(のうさぎ はちべえ)です。国家資格「総合旅行業務取扱管理者」を持つ旅行のプロが、天草の﨑津教会とその周辺の見どころを案内し、天草の﨑津教会を含めた旅行プランの作り方を説明します。
この記事で「天草・﨑津教会」の旅が分かる
- 熊本県天草市にある「﨑津教会(さきつきょうかい)」は、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の一つで、漁村の暮らしと祈りが今も息づく特別な場所です。
- 﨑津教会を中心に、初めての方でも安心して楽しめる王道モデルコースを詳しくご紹介。天草ロザリオ館や大江教会など、周辺スポットを組み合わせた見どころを説明します。
- 潜伏キリシタンの歴史や、羊角湾に映える教会の美しい外観など、旅の感動が深まる背景を分かりやすく解説。知ってから訪れることで、旅の価値が一層高まります。
- アクセス方法やおすすめの宿泊エリア、天草ちゃんぽんなどのご当地グルメ、レンタカーやフェリーの活用術まで、旅を快適に楽しむための実用情報も網羅。
- 熊本・島原・長崎・鹿児島を結ぶ4つの旅行プラン例をプロが提案。あなたの興味やスケジュールに合わせて、オリジナルの天草旅を計画できます。
﨑津教会の祈りと歴史、そして天草の海辺の絶景を感じる旅へ――次の休日、天草の物語を訪ねてみませんか?
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﨑津教会の魅力と基本情報
﨑津教会の魅力
熊本県天草市にある「﨑津教会(さきつきょうかい)」は、2018年(平成30年)に世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産として登録された、﨑津集落のシンボルです。
この教会の魅力は、単なる外観の美しさだけではありません。禁教の時代を乗り越えた「歴史の重み」、西洋と和が融合した「建築の独創性」、そして羊角湾を望む漁村に佇む「心洗われる風景」――この三つが重なり、訪れる人の心を深く揺さぶります。
歴史を知り、集落を歩き、静かな祈りの空間に身を置くと、世界遺産に刻まれた物語を自分の旅として体験できるでしょう。
潜伏キリシタンの歴史を今に伝える祈りの空間
﨑津教会は、250年以上にもわたる苦難の禁教時代を乗り越えた、潜伏キリシタンたちの信仰と希望の記憶が刻まれた聖地です。
教会の祭壇が置かれている場所は、かつて信者たちに信仰を捨てさせるための「絵踏(えふみ)」が行われた庄屋の屋敷跡です。1934年(昭和9年)の教会再建時、フランス人宣教師ハルブ神父は、あえてこの“苦しみの象徴”であった場所に祭壇を設置しました。これは、弾圧に屈しなかった信者たちの揺るぎない信仰への、最大限の敬意の表れでした。堂内に足を踏み入れると、厳しい時代に知恵を絞り、アワビの貝殻の模様を聖母マリアに見立てて祈った人々の、静かで強い祈りの記憶が空間全体に満ちているのを感じるでしょう。
﨑津教会は単なる美しい教会ではなく、苦難の歴史の終着点として、訪れる者に信仰の尊さと人間の強さを静かに語りかける、世界遺産の名にふさわしい祈りの空間なのです。
拝観の注意点
堂内は今も信者の方々が祈りを捧げる神聖な場所です。写真撮影は禁止されていますので、静かにその空間を心で感じましょう。
ゴシック様式と畳敷きが融合した独特の礼拝堂
﨑津教会の堂内は、荘厳な西洋ゴシック建築と、日本の伝統的な「畳敷き」が融合した、世界でも類を見ない唯一無二の礼拝空間です。
長崎・上五島出身の大工棟梁・鉄川与助(てつかわよすけ)が、本格的なゴシック様式(リブ・ヴォールト天井)を採用しつつも、「信者が家の延長のように落ち着いて祈れるように」と、異例の畳敷きを導入したからです。
教会でありながら靴を脱いで堂内に入ると、ひんやりとした石の床ではなく、青々とした畳が広がっています。窓のステンドグラスから差し込む色とりどりの光が、畳の目に柔らかく反射する光景は、他の教会では決して味わえません。西洋の神聖な空間と、日本の暮らしの温かさが違和感なく調和した、静かで穏やかな祈りの時間が流れるのが想像できます。
穏やかな羊角湾のほとりにたたずむ美しい外観
﨑津教会のもう一つの大きな魅力は、教会そのものだけでなく、穏やかな漁村の日常風景と一体となった、心洗われる景観にあります。
教会は、今も人々が暮らす﨑津集落の生活の中に、ごく自然に溶け込んでいます。信仰が日常と共にある、この土地ならではの空気感を肌で感じることができます。
教会の尖塔の近くには、キリスト教と共存してきた「﨑津諏訪神社」が鎮座し、日本の多様な信仰の形を象徴しています。また、「トウヤ」と呼ばれる海へと抜ける細い路地を歩けば、潮風と人々の暮らしの音が聞こえてきます。そして、集落を見下ろす高台にある「チャペルの鐘展望公園」から望む、静かな羊角湾と教会の尖塔が織りなす風景は、まさに絵画のような美しさです。
教会と集落、そして海が一体となって醸し出すノスタルジックな風景全体が、訪れる人々の心を穏やかにし、﨑津の旅を忘れがたいものにしてくれるのです。
﨑津教会の基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
名称 | カトリック崎津教会 |
郵便番号 | 863-1204 |
住所 | 熊本県天草市河浦町崎津539 |
電話番号 | 0969-79-0015 |
﨑津教会の拝観方法・注意点
﨑津教会を拝観するには事前予約が必要です。ガイドの予約もできます。
宗教行事が開催されるなど拝観できない日時がありますので注意が必要です。
﨑津教会は、いまも信者の方々が祈りを捧げる信仰の場です。以下の拝観マナーを守り、節度を持って拝観してください。
出典:﨑津集落ガイダンスセンターウェブサイト http://sakituguidance.amakusa-web.jp/MyHp/Pub/~~ 守っていただきたい﨑津教会の拝観マナー ~~
教会は、信者の方々が祈りをささげる神聖な場所です。節度を持って拝観してください。
- 教会内への一般車の進入は禁止されています。
- 教会内の写真撮影は禁止されています。
- 教会の敷地内でのタバコは灰皿のある場所でお願いします。
- 教会内は土足禁止です。
- 教会内へのペットの入館は禁止です。(抱いたままでも。)
- 教会内にあるものに勝手に触れないでください。
- 教会内は静かに拝観してください。
- 教会内では携帯電話の電源を切るか、マナーモードにしてください。
- ミサ、結婚式、お葬式等の儀式中の入館はご遠慮ください。
- 教会の鐘は勝手に鳴らさないでください。
- 服装は祈りの場にふさわしいものを。極端に肌の露出が多いものはさけてください。
モデルコースと見どころ深掘りガイド
これだけは押さえたい!﨑津教会の王道モデルコース(所要時間:約2〜3時間)
世界遺産・﨑津集落の魅力を余すことなく体験するために、まずはこの王道モデルコースに沿って歩いてみましょう。最初に歴史の背景を学び、クライマックスで教会を訪れ、最後は集落全体を見渡す絶景で締めくくる、感動が深まること間違いなしのルートです。
- 﨑津集落ガイダンスセンター: まずはここで旅の全体像を掴む
- 﨑津資料館みなと屋: 暮らしと信仰の記憶に触れる
- 﨑津教会: 静寂と祈りの空間、旅のクライマックス
- 﨑津諏訪神社: 教会と神社が隣り合う、信仰の歴史を体感
- 集落散策(トウヤとカケ): 潮風の小路を歩く
- 海に向かって立つマリア像: 穏やかな海を見守る祈りの象徴
- チャペルの鐘展望公園: 旅の締めくくり、集落全体を見渡す絶景
プランニングのヒント
- 所要時間: 全体をじっくり巡るなら約2〜3時間が目安です。
- 楽しみ方: 飲食店や土産物屋は﨑津教会周辺に集まっています。時間に余裕があれば、気の向くままに路地裏をのんびりと歩き、この集落独特の魅力をたっぷり味わうのもおすすめです。
- ガイドの利用: 事前予約をすれば、現地ガイドをお願いすることも可能です。歴史をより深く知りたい方は検討してみてはいかがでしょうか。
さあ、心洗われる天草の祈りの集落へ、旅を始めましょう。
見どころを深掘り解説
﨑津集落ガイダンスセンター: まずはここで旅の全体像を掴む
﨑津集落の散策は、まず道の駅「﨑津」の中核施設である「﨑津集落ガイダンスセンター」から始めるのが鉄則です。ここは、単なる案内所ではなく、その後の散策の感動を最大限に引き出すための、必要不可欠な出発点です。﨑津集落ガイダンスセンターは、天草西海岸の国道389号沿いにあり﨑津集落への入口に位置しています。
﨑津集落ガイダンスセンターでは、﨑津集落がなぜ世界遺産に登録されたのか、その核心である潜伏キリシタンの歴史や独自の漁村文化を、歩き始める前に深く理解できます。館内のパネルや映像展示では、厳しい禁教の時代を生き抜いた人々の信仰生活が分かりやすく解説されています。散策に便利な﨑津集落散策マップを手に入れ、教会内部での拝観マナーや、住民の生活に配慮した歩き方などを事前に学べるため、安心して旅を始められます。
歴史を学ぶだけでなく、旅の拠点としても非常に実用的です。﨑津集落内には観光客用の駐車場がほとんどないため、車で訪れる方は、まずここの大型駐車場に車を停めてから散策を始めるのが基本となります。無料の大型駐車場を完備しており、﨑津教会までは徒歩約10分(約750m)です。24時間利用可能なトイレや無料Wi-Fiもあります。なお、飲食施設は併設されていません。物産販売も限られています。
﨑津資料館みなと屋: 暮らしと信仰の記憶に触れる
﨑津教会を訪れる前に、その斜め向かいにある「﨑津資料館みなと屋」へ立ち寄ることを強くおすすめします。ここは、潜伏キリシタンたちの暮らしと信仰の記憶が、生々しい手触りと共に保存された、旅の感動を深めるための重要な空間です。
この建物は、かつて実際に人々が往来した「旅館 みなと屋」を改装したものであり、歴史の教科書では学べない、当時の人々のリアルな生活の息遣いを感じられるます。信仰が日常にどう溶け込んでいたかを、実物を通して体感できます。
館内には、禁教時代に聖母マリアに見立てて祈りを捧げたという「アワビの貝殻」などの信心具や、当時の漁具や民具などが展示されています。華やかさはありませんが、一つひとつに、厳しい時代を生き抜いた人々の知恵と強い信仰の物語が宿っており、静かな感動を呼び起こします。港町ならではの暮らしの道具も展示されており、「信仰と生活が共存してきた町」という集落の本質を理解できるでしょう。

﨑津教会: 静寂と祈りの空間、旅のクライマックス
モデルコースのハイライトである「﨑津教会」は、苦難の歴史、和洋が融合した建築美、そして今に続く祈りが一つになった、荘厳かつ穏やかな空気に満ちた聖地です。
その神聖さの根源は、この教会が建つ劇的な歴史にあります。現在の祭壇が置かれている場所こそ、かつて信者が信仰を試された「絵踏(えふみ)」が行われた庄屋の屋敷跡なのです。最も苦しい試練の場所に、あえて祈りの中心を据えたその物語が、この教会の空間に深い奥行きを与えています。
この苦難と勝利の歴史を象徴するのが、教会建築の名工・鉄川与助(てつかわよすけ)が手がけた、世界でも類を見ない和洋が融合した祈りの空間です。堂内は、荘厳なゴシック様式の天井と、国内でも珍しい畳敷きの床が調和する特別な場所。ステンドグラスから差し込む光が畳の目に柔らかく反射し、祈りの静寂が空間全体に漂います。
※ 観光客は畳部分に立ち入ることはできませんが、その美しさは十分に感じ取ることができます。
「海の天主堂」という美しい呼び名にふさわしく、教会とその周辺の景観は一体となって高く評価されており、「日本の渚百選」や「国の重要文化的景観」にも選定されています。建物だけでなく、穏やかな漁村風景に溶け込むその佇まい全体が、訪れる人々の心を惹きつけてやみません。
この、歴史の重みと、訪れる者を優しく包み込むような穏やかさが共存する祈りの空間こそが、﨑津教会が世界遺産として人々を惹きつけてやまない魅力の核心なのです。
拝観にあたっての心得
﨑津教会は、今もミサが行われる信者の皆さんにとって大切な「祈りの場」であり、観光施設ではありません。堂内での写真撮影は固く禁止されています。心を静め、五感を澄ませて、その場の神聖な空気を心で感じ取りましょう。

﨑津諏訪神社: 教会と神社が隣り合う、信仰の歴史を体感
﨑津教会の近くに鎮座する「﨑津諏訪神社」は、異なる宗教が共存してきた﨑津集落の、他に類を見ないユニークな歴史を象徴する必見の場所です。
この神社は、禁教時代に潜伏キリシタンたちが自らの信仰を隠し、生き抜くための知恵と苦労の舞台であったからです。彼らにとって、ここは集落の守り神であると同時に、自らの信仰を守るための重要な場所でもありました。
禁教時代、キリシタンたちは表向きはこの神社の氏子として振る舞い、祭礼にも参加していました。神社で祈る際には、神道の祝詞(のりと)ではなく、キリスト教の祈りである「アーメン、デウス(我が主に栄光あれ)」を、誰にも分からぬよう「あんめんりうす」と唱えていたと伝えられています。また、1805年(文化2年)の潜伏キリシタン発覚事件「天草崩れ」の際には、この神社の境内で信心具の提出を求められるという、信仰を試される悲劇の舞台ともなりました。
神社の石段を登り、鳥居の中から振り返ると、﨑津教会の尖塔が見えるという、不思議で美しい光景が広がります。神道の神域からキリスト教の教会を望むこの風景は、様々な文化を受け入れ、共存させてきた天草の懐の深さを物語る、最高のフォトスポットです。
神社でありながらキリシタンの祈りの記憶が深く刻まれた歴史こそ、﨑津諏訪神社が単なる鎮守の杜ではない、特別な意味を持つ理由なのです。

集落散策(トウヤとカケ): 潮風の小路を歩く
﨑津の真の魅力を感じるには、教会や神社だけでなく、潮風が香る集落の小路を目的なく歩いてみるのが一番です。ここには、世界遺産の集落に今も息づく、ありのままの暮らしの風景が広がっています。
﨑津集落の独特な構造は、潜伏キリシタンの信仰と、海と共に生きてきた漁村としての生活が密接に結びついて生まれた、独自の景観です。特に「トウヤ」と「カケ」は、その象徴と言えるでしょう。
- トウヤ: 家と家の間を縫うように、海へとまっすぐ抜ける細い路地。主に船を格納するために使われる、この集落ならではの生活道です。
- カケ: 海の上に張り出して作られた木製のデッキ。魚の水揚げや干物作り、漁具の手入れなどに使われる、人々の生業と暮らしを支える作業場です。
これらの風景の中を歩けば、穏やかな波の音と、人々の生活の音が聞こえてきます。観光地化されていない、ありのままの漁村の日常にそっとお邪魔しているかのような、懐かしくも穏やかな時間を過ごせるでしょう。
この、長閑な集落で潜伏キリシタンの暮らしに思いを馳せながら、「トウヤ」や「カケ」を探してぶらぶらと歩くことこそ、﨑津集落の散策の醍醐味であり、旅の記憶をより豊かなものにしてくれるのです。

海に向かって立つマリア像: 穏やかな海を見守る祈りの象徴
集落の南端、岬の突端に佇む純白の「マリア像」は、﨑津の信仰と海の暮らしとの深いつながりを象徴する、心に残るスポットです。
このマリア像は、1974年(昭和49年)、﨑津のキリスト教徒である漁師たちが、日々の航海の安全と豊漁を願って建立したものです。それは、厳しい自然と共存する人々の、切実な祈りの結晶なのです。
優しい表情で穏やかな羊角湾を見つめるマリア像。地元の漁師たちは、今も沖へ出る前と港へ帰る時、必ずこのマリア像の前で船を止め、十字を切って祈りを捧げるといいます。厳しい弾圧の時代を乗り越え、安らかに祈りを捧げられるようになった人々の感謝の気持ちが、その姿から静かに伝わってくるようです。
マリア像が立つ岬は「天草夕陽八景」の一つに選ばれた夕日の名所としても有名です。特に冬の時期、運が良ければマリア像のシルエットと夕日が重なる、息をのむほど美しい光景に出会えるため、多くの写真愛好家が訪れます。マリア像までは少し距離があるため、カメラで綺麗に撮りたい方は望遠レンズを持参するのがおすすめです。
展望デッキの手前には、天草漁協﨑津直売所『きんつ市場』があり、新鮮な海の幸や加工品を購入できます。
﨑津教会、﨑津諏訪神社などの﨑津諏訪神社の見どころとマリア像を海上から見られるクルージングも含めたツアーがあります。最少催行人数一名で希望日時に開催してもらえます。詳細と申込は、天草ツアーのサイトを参照ください。

チャペルの鐘展望公園: 旅の締めくくり、集落全体を見渡す絶景
モデルコースの締めくくりは、集落の高台にある「チャペルの鐘展望公園」です。ここから望む景色こそ、旅の記憶を完成させるための最高のフィナーレです。
公園へは、﨑津諏訪神社の脇から続く約500段の石段を登る必要があります。歩きやすい靴は必須で、夏場は特に水分補給の準備を忘れないようにしましょう。登り時間は10分〜20分が目安です。
公園にはその名の通り大きな鐘があり、木製の十字架を模したオブジェクトを中心とした半円形のステージとベンチが整備されています。
眼下には、先ほどまで歩いてきた﨑津集落の瓦屋根の家々の中にすっと伸びる﨑津教会の尖塔。東シナ海や羊角湾も見渡せ、特にサンセットの美しさはまさに一枚の絵画です。時間に都合がつけば、ぜひ夕暮れ時を狙って訪れてみてください。旅の最後に訪れたい、感動のビュースポットです。
ただ見るだけでは終わらない、旅の深層ガイド
天草ロザリオ館と大江教会
﨑津教会を訪れるなら、近隣の「天草ロザリオ館」と「大江教会」もぜひセットで巡りましょう。﨑津教会から約6kmで、「大江天主堂入口」バス停もあり、アクセスも良好です。「天草ロザリオ館」は「大江教会」が建つ丘の麓に位置しており、二つを同時に訪問できます。
天草ロザリオ館の展示を先に見れば、教会の静謐な雰囲気をより深く味わえるでしょう。歴史と祈りをたどる旅の最初の一歩に、ぜひ訪れてみてください。
天草ロザリオ館
天草ロザリオ館は、大江地区にある天草キリシタン資料館で、禁教から信教自由に至るまでの天草のキリシタン史を詳しく解説しています。迫害を受けながらも信仰を守り続けた人々の生活や文化を、遺物や映像を通して知ることで、﨑津教会や大江教会を訪れる体験に深みが加わります。
館内には、仏教のお経を封じ込めて失効させる「経消しの壺」といった禁教時代の遺物をはじめ、潜伏キリシタンが密かに祈った「かくれ部屋」を再現した実物大のジオラマがあります。オラショ(祈りの言葉)が流れる中で、当時の緊張感をリアルに体感できます。また、3面マルチスクリーンでは、天草の自然や人々の暮らしを映像で紹介。静かな展示室は少し薄暗く、信仰の重みをしっかりと感じさせてくれます。
※館内は写真・ビデオ撮影禁止のため、記憶に残すようにゆっくり鑑賞しましょう。

大江教会
「山の天主堂」と呼ばれる「大江教会」は、天草のキリシタン文化を象徴する白亜の教会です。高台に佇むその姿は、信仰と自然が調和した穏やかな時間を旅人に届けてくれます。
大江教会は、世界遺産には登録されていませんが、キリスト教解禁後に天草で最も早く建てられた教会です。現在の建物は1933(昭和8)年、フランス人宣教師ガルニエ神父(地元の人々からは「パーテルさん」と親しまれた人物)が、信者たちと共に築き上げました。ガルニエ神父は、天草の人々をこよなく愛し、生涯この地で伝道に尽くしました。祖国に帰る旅費を自らの生活費に充て、慎ましい暮らしを続けながらこの教会建築に力を注いだと伝えられています。
教会はロマネスク様式で、半円アーチの窓や丸みを帯びた塔が特徴。白壁と尖塔が青空に映え、周囲に植えられたソテツやフェニックスが南国らしい彩りを添えます。堂内には、木の温もりを感じる天井や優しい光を放つステンドグラス、静謐な聖画が並び、信仰の温かさが漂います。敷地には、ガルニエ神父の像やルルドの聖母マリア像があり、パーテルさんがこの場所を愛し、人々とともに守り続けた証が今も息づいています。大江教会は、現在も信者の方々の信仰の場です。節度を持って拝観しましょう。
※堂内は写真・ビデオ撮影禁止です。
ガルニエ神父は、この丘から眺める天草の風景を愛したと言います。穏やかな丘の上で、歴史と信仰に触れるひとときを体験してみませんか。

﨑津・大江・本渡教会主任司祭が監修した「天草キリシタン紀行《﨑津・大江・キリシタンゆかりの地》」が参考になります。天草におけるキリスト教の歴史や現在の信者の様子などが写真を中心に紹介されています。
五足の靴と天草の旅 ― 大江教会に響く詩人たちの足跡
天草をより深く楽しみたいなら、与謝野寛や北原白秋らが残した名紀行文『五足の靴』を、旅のガイドとして手に取ってみきましょう。100年以上前の若き詩人たちが歩いた道、見た風景、そして感じた感動の物語を知ることで、大江教会や天草西海岸の景色が、より一層輝きを増すはずです。
日本近代文学の夜明けを告げた、詩人たちの旅
『五足の靴』とは、1907年(明治40年)、詩人の与謝野寛(鉄幹)が、まだ学生だった北原白秋、吉井勇、木下杢太郎、平野萬里という4人の俊英を率いて九州を旅した紀行文です。東京二六新聞に連載され、大きな反響を呼びました。
一行は、東京を発って、長崎などを経て天草へ渡り、南蛮文化や潜伏キリシタンの歴史に強く惹かれます。旅のクライマックスとなったのが、炎天下を約38km歩き、ようやく辿り着いた大江教会でのフランス人宣教師ガルニエ神父との出会いでした。私財を投じて教会を建て、医療や教育にも尽力し、地元の人々から「パアテルさん」と慕われる神父の慎ましくも揺るぎない生き方は、若き詩人たちの心に深い感動を与えました。この体験は、後に北原白秋の代表作である詩集『邪宗門』や、木下杢太郎のキリシタン研究へと結実し、日本文学史に刻まれる出来事となったのです。
このように、『五足の靴』の旅は、天草の風土とキリシタン文化が、新しい文学を生み出すための重要な触媒となった瞬間を捉えた記録であり、この旅の足跡を辿ることは、文学と歴史の聖地巡礼とも言えるのです。
旅の前に『五足の靴』や、森まゆみ著『「五足の靴」をゆく―明治の修学旅行』を読めば、当時の情景と重ねながら天草を歩く楽しみが広がります。パアテルさんが愛した大江の丘や、夕景に染まる天草西海岸は、まるで物語の一場面のようにあなたの記憶に残るはずです。
詩人たちの足跡を辿る「天草西海岸サンセットライン」
明治の詩人たちが歩いた感動の道を、現代の私たちは絶景ドライブコースとして辿ることができます。﨑津集落から下田温泉を経て鬼池港に至る国道389号線、通称「天草西海岸サンセットライン」です。このドライブコース沿いには、詩人たちの旅情に思いを馳せることができる絶景スポットが点在しています。
西平椿公園(にしびらつばきこうえん)は、 早春には約2万本のヤブツバキが咲き誇り、青い海とのコントラストが鮮やかです。十三仏公園(じゅうさんぶつこうえん)には、 後に妻の晶子と共に再び天草を訪れた鉄幹と、晶子の歌碑が並んで建てられており、文学を愛した夫妻の想いがひっそりと刻まれています。鬼海ヶ浦展望所(きかいがうらてんぼうしょ)は 東シナ海に沈む夕日の名所で、海岸まで降りることもでき、天気が良ければ遠くの野母崎半島のシルエットも望めます。
『五足の靴』一行が歩いた道の一部は、現在「五足の靴文学遊歩道」として、下田温泉付近に約3.2kmが整備されています。時間に余裕があれば、車を停めて、潮風を感じながら詩人たちの足跡を辿ってみるのもおすすめです。
大江教会や天草ロザリオ館を巡った後に、天草西海岸サンセットラインを走れば、明治の詩人たちが受けた感動を、美しい夕日と共に追体験できるでしょう。

﨑津教会を120%楽しむ旅行プラン4選
﨑津教会を訪れるなら、歴史だけでなく天草全体の魅力を組み込んだプランがおすすめです。フェリーやバス、ドライブを組み合わせれば、熊本・島原・長崎・鹿児島といった周辺エリアとも自在に行き来でき、旅の幅がぐんと広がります。ここでは、所要時間や交通手段に合わせた4つのルートを紹介します。
プラン作成の考え方
﨑津教会の観光を最大限に楽しむには、周辺の歴史スポットや温泉地も組み合わせた広域プランを立てるのがポイントです。
天草は「世界文化遺産・潜伏キリシタン関連遺産」の一角を担う﨑津集落をはじめ、ロザリオ館や大江教会、絶景ドライブが楽しめる天草五橋、イルカウォッチングなど見どころが豊富です。
﨑津集落の散策は約2〜3時間、大江教会と天草ロザリオ館の見学を加えると半日が目安。下田温泉や本渡エリアに宿泊して、翌日は五橋ドライブや牛深の海鮮を楽しむのも良いでしょう。フェリーを使えば島原・長崎・鹿児島への周遊も可能です。
旅程に余裕を持たせ、﨑津教会を天草旅行のハブとして活用すれば、歴史・自然・文化が織りなす天草の奥深さを120%味わえます。
プラン例①:天草の絶景と世界遺産をめぐる!熊本発定番プラン
熊本市から天草を縦断し、﨑津教会を経て再び熊本へ戻るルートは、天草の名所を効率よく巡れる定番プランです。
天草五橋を渡る絶景ドライブや、天草松島温泉・本渡・下田温泉など、教会周辺だけでなく島全体の魅力を体験できます。
1日目は熊本から天草五橋を経由し、下田温泉や本渡に宿泊。2日目に﨑津集落や大江教会を巡り、帰路は天草松島温泉に立ち寄って熊本へ戻るコースが人気です。天草松島温泉に宿泊して2泊3日とすると、天草をたっぷり満喫できます。公共交通なら産交バスの「あまくさ乗り放題きっぷ」を活用し、熊本〜三角間は観光列車「A列車で行こう」で変化を楽しむのもおすすめ。レンタカー利用なら自由度がさらに広がります。
熊本ルートは、﨑津教会と天草の自然・グルメを一度に堪能できる、初めての天草旅行に最適なプランです。

出典:熊本県公式観光サイト:https://kumamoto.guide/spots/detail/11519
プラン例②:世界遺産を海越しに体感!島原・雲仙を組み合わせた歴史探訪プラン
島原半島と天草を結ぶフェリーを使えば、潜伏キリシタン関連遺産を一度に巡る歴史探訪プランが叶います。
﨑津集落と原城跡はいずれも世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」に登録されており、共通の歴史をたどれます。
1日目に熊本から天草を南下し、下田温泉または本渡に宿泊。公共交通機関の場合は、本渡に宿泊する方が効率的です。2日目は島鉄フェリーで天草鬼池港から島原半島南端の口之津港に渡ります。所要時間は30分です。運が良ければフェリーからイルカを見ることができます。
島原半島には、天草の﨑津集落と同じく世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」に登録されている原城跡があります。﨑津集落と合わせて訪問するのもおすすめです。司馬遼太郎は「街道をゆく 17 島原・天草の諸道」で島原城を起点にして、大江教会、﨑津教会までを旅しています。
島原城は、日本百名城のひとつで、1964年(昭和39年)に復元された天守閣の1階には「キリシタン史料館」が併設され、踏絵や殉教に関する貴重な資料が多数展示されています。島原・天草一揆の舞台となった島原城は、禁教政策の激しさと、信仰を守り抜こうとした人々の姿を今に伝える場所です。

雲仙温泉は、江戸時代にキリシタン弾圧の拠点となり、信徒が「雲仙地獄」で拷問を受けた悲しい歴史を持ちます。現在は観光地として賑わう温泉街ですが、史跡案内板や資料館を訪れれば、殉教の歴史に思いを馳せることができるでしょう。

島原からは、島原鉄道や国道251号線で諫早に出て、長崎、佐世保、佐賀、博多方面に向かうことができます。
熊本へは、島原港からは九商フェリーや熊本フェリーで熊本港へアクセス可能。九商フェリーは、所要60分ですが、運賃が安く、熊本港と熊本駅の間の無料シャトルバスを運行しています。熊本フェリーは高速船で所要時間約30分です。
「島原ルート」は、海を越えながら世界遺産を縦断できる、歴史好きにぴったりのプランです。
プラン例③:文学と信仰の道を辿る長崎アクセスプラン
富岡港〜長崎・茂木港間を約45分で結ぶ苓北観光汽船を利用した「長崎ルート」は、公共交通ならではの特別な体験ができるプランです。この船は、カーフェリーでないので自動車を乗せることはできないため、公共交通機関を利用した旅となります。
苓北観光汽船が結ぶこのルートは、かつて与謝野鉄幹ら文学者が『五足の靴』の旅で辿った道でもあり、歴史とロマンを味わえます。天草西部は、熊本市よりも長崎市の方が距離も時間も近いことが分かります。
1日目に熊本発で天草下島を巡り本渡に宿泊。翌日は富岡港から茂木港へ渡り、長崎市内で、天草の﨑津集落と同じく世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」に登録されている大浦天主堂や出島を観光するのもおすすめ。長崎駅と茂木港とはバスで約25分です。﨑津集落と富岡港との間は直通のバスがなく、いったん本渡バスセンターを経由する必要があるので、本渡に宿泊するのが望ましいです。

プラン例④:薩摩文化に触れる!鹿児島・出水と結ぶフェリー周遊プラン
牛深港から三和フェリーで鹿児島・出水に渡るルートは、天草から薩摩文化圏への変化が体験できるプランです。
熊本や長崎とは異なる薩摩の歴史・文化に触れられるだけでなく、出水のツル観察地や武家屋敷群など多彩な見どころがあります。
1日目に熊本や島原方面から﨑津集落を散策し、天草南端の牛深で宿泊。翌日は三和フェリーで蔵之元港へ渡り、九州新幹線との連絡シャトルバスでJR出水駅へ移動。そこから、ラムサール条約に登録されている日本一のツルの越冬地や、薩摩藩の外城として栄え重要伝統的建造物群保存地区に選定されている出水の武家屋敷群などを訪ね、九州新幹線で鹿児島中央駅に向かうことができます。出水駅と鹿児島中央駅は、九州新幹線で約23分です。
当ブログでは、鹿児島のシンボル・桜島を訪ねる旅のガイドとプランの記事を掲載しています。是非参考にして下さい。
【旅をアップグレードする秘訣】ワンランク上の旅を実現する1枚
今回ご紹介したような旅行プランを、より快適で上質なものにするための『秘訣』として、旅行のプロの視点から厳選した一枚のカードをご紹介します。それが「セゾンプラチナ・アメリカン・エキスプレス・カード」です。筆者のメインカードです。
このカードは、年会費33,000円、JALのマイルを直接貯めることができる「SAISON MILE CLUB」のサービス年会費が5,500円と安くはありません。
それでもなお、なぜこのカードが旅好きにおすすめなのか、その理由は以下の特典に集約されています。
- JALマイル最高水準の還元率: 日常の支払いでJALマイルが最大1.125%という高レートで貯まり、次の旅行がぐっと近づきます 。
- 空港ラウンジが使い放題:国内外1,600ヶ所以上の空港ラウンジが無料で利用できる「プライオリティ・パス」の最上位会員(通常年会費469米ドル)に無料で登録できます 。出発前のひとときを、喧騒から離れた落ち着いた空間で過ごせます。
- 手荷物無料宅配:海外旅行の際、空港と自宅間のスーツケース1個を無料で配送してもらえます 。旅の行きも帰りも、身軽に移動できる快適さは格別です。
- コンシェルジュ・サービス:プラチナ会員専用のコールセンターのスタッフに、旅行やレストラン予約手配依頼だけではなく、様々な困りごとの相談も可能です。
- その他多数の特典: 2名以上の利用で1名分のコース料理が無料になるレストラン優待や、充実した旅行保険も付帯します 。
このカードは、その価値の高さからポイントサイト等に広告が出ることは稀で、既存会員からの紹介で入会するのが最もお得な方法です 。
カード会社の規約上、ブログに直接紹介用URLを掲載することが禁じられています 。そのため、ご興味のある方は、以下のバナーをクリックすると表示される専用フォームからご連絡いただければ、すぐに紹介用URLをメールでお送りします。
もちろん、お申し込みされる方の個人情報が私に伝わることは一切ありませんので、ご安心の上、お気軽にご連絡ください 。
旅の準備:アクセス・宿泊・食事 実用ガイド
﨑津教会へのアクセス
﨑津教会は、熊本県天草市河浦町に位置しています。
﨑津教会を訪ねる旅は、アクセスの計画から始まります。天草は鉄道がなく、自動車、バス、飛行機を利用する必要があります。ここでは、それぞれの方法を詳しくご紹介します。
自動車でのアクセス
レンタカーを利用したドライブが最も自由度の高いアクセス方法です。
天草の魅力は集落ごとに点在しており、自動車なら﨑津教会をはじめ周辺の大江教会やロザリオ館なども効率よく巡ることができます。
例えば、熊本駅からは天草五橋・本渡市街経由で約115km、牛深港からは約26km、鬼池港からは苓北まわりでも本渡まわりでも約47km、天草空港からは国道266号線を使って約42kmの道のりです。島原や鹿児島方面から訪れる場合は、島原港や出水駅でレンタカーを借りるのも便利でしょう。「エアトリ」などの比較サイトを活用すれば、本渡地区や熊本駅周辺の格安レンタカーも簡単に予約できます。
注意したいのは、﨑津教会周辺の道路は狭く、集落内に駐車場はほとんどないこと。観光用には「中町駐車場(5台)」「下町駐車場 (障がい者専用)(2台)」「下町南駐車場(9台/うち車イス用2台)」が整備されていますが、﨑津集落入口にある「﨑津集落ガイダンスセンター」の大型無料駐車場を利用するのがおすすめです。ガイダンスセンターで、パネルや映像展示で世界遺産に登録された﨑津集落について学び、集落マップを手に入れて、散策を始めるのが王道です。24時間利用可能なトイレや無料Wi-Fiもあります。ガイダンスセンターから﨑津教会までは徒歩約10分(約750m)です。
バスでのアクセス
公共交通機関で向かうなら、産交バスを利用するのが基本です。産交バスが天草島内の主要観光地をつないでいます。
例えば、JR熊本駅からは快速「あまくさ号」で本渡バスセンターまで約2時間40分。そこから路線バスで「一町田中央」バス停まで約53分、さらに「﨑津」バス停まで約17分で到着します。下田温泉からは約45分、牛深港からは「新丸山」バス停乗り換えで約47分ほどです。鬼池港・富岡港・天草空港からは、一度本渡バスセンターを経由する必要があります。
バス旅を楽しむなら「あまくさ乗り放題きっぷ」が断然お得。快速あまくさ号の往復と天草島内の路線バスが乗り放題で、2日間用・3日間用を選べます。観光施設の割引特典も付き、運賃を都度払う手間もありません。購入は天草ではできず、熊本市「SAKURA MACHI Kumamoto 」2階のバス案内所のみなので、事前に準備しましょう。
天草島内はバスの本数が限られているので、路線図と時刻表を参照にしてしっかり計画を策定しておきましょう。
飛行機でのアクセス
遠方からの旅なら、天草空港を利用するのが最短ルートです。熊本・福岡と天草を結ぶ「天草エアライン」を使えば、短時間でアクセスできます。
天草エアラインは、JALやANAとのコードシェアにより利便性は高く、熊本空港からは約20分、福岡空港からもわずか35分で天草に到着します。空港から﨑津集落まではレンタカーやバスで約45分です。
天草エアライン株式会社は、1998年(平成10年)に、熊本県(53%)、天草2市1町(27%)、民間(20%)出資の第三セクタ-として発足しました。たった一機の飛行機「ATR 42-600(みぞか号)」しか保有していない日本最小の航空会社です。
天草エアラインは、運行開始当初から赤字が続き、2007年(平成19年)に債務超過寸前になりましたが、社長に日本航空出身の奥島透が就任し、さまざまな改革を経てV字回復を果たしました。その奮闘をまとめたのが『天草エアラインの奇跡。』です。その物語を知ってから搭乗すると、空の旅がさらに感慨深いものになります。

- 【プロの旅の知恵】航空券をお得にする「陸マイラー」という選択肢
旅行費用の中でも、飛行機代は特に大きな割合を占めますよね。
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おすすめの宿泊エリア
﨑津集落内の一棟貸し民泊
﨑津教会をじっくり楽しむなら、集落内にある一棟貸しの民泊に泊まるのがベストです。
朝夕の静けさに包まれた集落を体感できるのは、宿泊者だけの特権です。
例えば、民泊にチェックインした後は、夕暮れの羊角湾を散策し、翌朝は観光客が少ない時間に教会や漁村の路地を歩くと、日帰りでは味わえない「暮らしと信仰が息づく集落の表情」に出会えます。キッチン付きの宿なら、地元の食材を使って簡単な料理を楽しむのもおすすめです。
﨑津集落の民泊は数が限られているため、早めの予約が安心です。歴史ある世界遺産の中に泊まるという体験は、旅の思い出をより特別なものにしてくれるでしょう。
下田温泉エリア
旅の拠点に迷ったら、﨑津集落から北に約18kmに位置する下田温泉がおすすめです。﨑津から車で約30分、バスで約47分です。
温泉情緒と豊かな宿泊施設が揃い、天草ならではの海の絶景とともに滞在を楽しめるます。
下田温泉は、火山性ではなく地層の摩擦熱で温められた水が吹き出したものと言われる非常に珍しい温泉で、すべての宿で源泉かけ流しの温泉を堪能できます。夕方には、東シナ海に沈む夕日が「日本の夕陽百選」にも選ばれた絶景を演出。旅館の露天風呂や客室から、オレンジ色に染まる空と海を眺める時間は格別です。
筆者が宿泊した茫洋閣は、建物は少し古いものの丁寧に改修が進められており、何より新鮮な地魚や天草の海産物を使った料理が絶品でした。下田温泉旅館組合には7軒の宿が掲載されており、カップルやファミリー、一人旅などスタイルに応じて選べます。
温泉とグルメを同時に楽しめる下田温泉は、天草観光の拠点としても最適です。
なお、天草地域では、一年中「しめ縄」を飾っています。これは、禁教の時代に「自分はキリシタンではない」と示すための風習の名残だということです。
この風習は、潜伏キリシタンの歴史が人々の暮らしに溶け込み、現在も伝統として受け継がれている証拠です。散策しながら、この文化に思いを馳せるのも、天草の旅をより深く味わうポイントになるでしょう。

本渡地区(天草市中心部)
旅の予定に柔軟さを求めるなら、本渡地区に宿泊すると選択肢が広がります。
天草市の中心部にあり、ビジネスホテルからリゾートホテルまで多彩な宿が揃っています。
例えば、レンタカーを利用する人はもちろん、公共交通機関を利用する場合でも、本渡地区ならバスの便が良く、周辺の飲食店や土産店も充実しています。夜は地元の居酒屋で新鮮な魚介や天草の郷土料理を味わい、翌朝は﨑津集落や大江教会などへの観光に出発するのもスムーズです。
本渡地区は、観光と生活のバランスが取れたエリアなので、観光拠点としても安心して滞在できます。
【プロの節約術】宿泊予約はポイントサイト経由で「ポイント三重取り」がお得!
旅の計画でホテルや旅館を予約する際、予約サイト(楽天トラベルやじゃらんnetなど)から直接申し込むのは、実は非常にもったいないです。
ポイントサイトを経由する一手間を加えるだけで、
- 宿泊予約サイトのポイント(楽天ポイントなど)
- クレジットカードの決済ポイント
- ポイントサイト独自のポイント
これら3つのポイントを同時に獲得(三重取り)できます。貯めたポイントサイトのポイントは、現金や次の旅行のマイルにも交換可能です。
おすすめは、業界最大手で信頼性も高い「モッピー」です。私も陸マイラー活動を始めた時からずっと愛用しており、入会特典で得たポイントが最初のマイル獲得の原資になりました。
以下のバナーからの入会で限定特典も受け取れます。入会料も利用料ももちろん無料で、あなたの個人情報が私に伝わることは一切ありませんので、安心してご活用ください。
これを食べたい!ご当地グルメ情報
天草を訪れるなら、地元ならではのグルメを堪能しない手はありません。中でも外せないのが、海鮮をはじめとする天草の豊かな食材を活かした「天草ちゃんぽん」です。旅の合間にぜひ味わってみましょう。
天草は三方を海に囲まれ、車エビやタコ、新鮮な白身魚など、魚介類の宝庫です。さらに天草ブランド豚や野菜も豊富で、これらを一皿にまとめた天草ちゃんぽんは、地元の食文化を象徴する存在。長崎ちゃんぽんや小浜ちゃんぽんと並び「日本三大ちゃんぽん」の一つとして知られています。独自のルールを守りながら、各店が工夫を凝らすことで、同じ名前でも店ごとに異なる味を楽しめるのが魅力です。
天草ちゃんぽんのこだわりは7つあります。
- スープは透明なものとする。
- 天草の塩を使用する。
- 天草のこだわり食材(車エビ、たこ、天草産ブランド豚)のどれかがメイン具材として入る。
- オリーブオイルで炒める。
- すり身を入れる(魚とは限らない)。
- オリジナルの後付ソースを別皿で提供する。
- 天草陶器の器を使用する。
牛深に立ち寄るなら、港からすぐの「紅蘭」がおすすめ。名物「ばくだん」や天草ブランドポークが入った南蛮ちゃんぽんは、地元の味覚を存分に味わえる一品です。ほかにも本渡や下田温泉周辺など、島内各地に名店が点在しています。
天草旅行の楽しみは、世界遺産・﨑津教会や集落散策だけではありません。旅の合間に、天草ならではのグルメを味わえば、記憶に残る体験がさらに豊かになります。天草ちゃんぽんをはじめ、新鮮な魚介料理を堪能し、食の面からも天草の魅力を満喫しましょう。

おすすめのガイドブック
旅行には紙のガイドブックを!安心感&情報のまとまりが魅力
インターネットで検索すれば最新の旅行情報が得られますが、旅には紙のガイドブックを持って行くのがおすすめです。まとまった情報を手元に持っておける安心感があり、移動中やネット環境がない場所でもサッと確認できます。地図を広げながら計画を練る時間は旅の醍醐味の一つです。必要に応じて、最新情報はインターネットで補完するとさらに便利です。
国内旅行のガイドブックを発行している会社は、株式会社昭文社、株式会社JTBパブリッシング、株式会社地球の歩き方などが大手です。それぞれ特長がありますので、お好みの一冊を選んではいかがでしょうか。
昭文社(Shobunsha)
地図のプロフェッショナル・昭文社は、以下のガイドブックを発行。特に「まっぷる」シリーズは地図が見やすく、旅行プランが立てやすいと人気です。
- まっぷる(地図の見やすさに定評)
- ことりっぷ(週末の小さな贅沢旅を提案)
- COLOR+(テーマ別に楽しめるカラフルなガイドブック)
- 山と高原地図(登山向けの詳細地図)
- ツーリングマップル(バイク旅行者向け)
- ことりっぷ国内版は、「週末に行く小さな贅沢、自分だけの旅」がコンセプト。旅好きの女性が楽しめる2泊3日の旅行プランが特徴です。(公式サイトより)

JTBパブリッシング(JTB Publishing)
旅行代理店国内最大手の株式会社JTBグループの出版部門で、旅行情報に強みを持つ出版社。「るるぶ」シリーズは情報量が豊富で、初めての旅行先でも安心!
- るるぶ(「見る」「食べる」「遊ぶ」情報が充実)
- 楽楽(持ち歩きやすいコンパクト版)
- ココミル(大人向けの上質な旅を提案)
- ララチッタ(女子旅向け)
- JTB時刻表(鉄道旅行者の必携アイテム)
- るるぶの由来:「見る」「食べる」「遊ぶ」の最後の文字をつなげたネーミング。観光・グルメ・アクティビティがバランスよく掲載されているのが魅力です。
地球の歩き方(Gakken)
株式会社地球の歩き方が発行し、株式会社学研ホールディングス傘下の出版社Gakkenが、地球の歩き方を発売しています。海外旅行向けのイメージが強い「地球の歩き方」ですが、最近は国内版も充実!
- 地球の歩き方 国内版(詳細な解説と情報量が魅力)
- aruco(女子向けの旅ガイド)
- aruco:「可愛くて楽しい女子旅」をコンセプトに、おしゃれなカフェやインスタ映えスポットも紹介。
国内旅行のガイドブックは都道府県別が多いですが、地球の歩き方では島旅シリーズで天草を取り上げています。「地球の歩き方 島旅 天草」オススメです。
安心・快適な、おすすめネット環境
旅行中、こんな不安や不便を感じたことはありませんか?
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NordVPNは、国内外を問わず、フリーWi-Fiの利用時に通信内容を暗号化してくれるVPNサービス。第三者からの盗み見や個人情報の漏洩を防ぎ、旅先でも安心してスマホやPCを使うことができます。
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旅行をもっと安心・便利に楽しむなら、VPNは今や必須のツールです。
国内旅行でも使えるからこそ、これからの時代の「旅の基本装備」として、ぜひ導入を検討してみてください。
もちろん、筆者も使っています。旅先でのこの安心感は、一度使ってみると手放せなくなります。
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以下の流れで、すぐに安全なネット環境を手に入れられます。
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プランは、安全で高速なVPNをリーズナブルに利用できるベーシックプラン、マルウェア対策とブラウジング保護など安心機能が充実のプラスプラン、1TBクラウドストレージもついてくるコンプリートプランから選べます。一番人気はプラスプラン。
期間も、利用目的に応じて、1ヶ月・1年・2年が選択可能。 - メールアドレスの入力
アカウント作成に使用するメールアドレスを入力します。 - お支払い情報の入力
クレジットカードやPayPal、仮想通貨など、お好きな方法でお支払い可能です。
30日間返金保証があるので、初めてでも安心です。 - アプリをダウンロードしてログイン
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旅行業界で働く人向けの「専門家向けの難しい試験では?」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。筆者自身も、約3ヶ月の独学で一発合格しました。この資格の勉強を通して、法律や地理、実務知識が身につき、旅行者としても物事を多角的に見られるようになります。旅に役立つ知識も得られますよ。
以下の記事で、具体的な勉強法や合格のコツを詳しく解説しています。あなたの「好き」を「専門知識」に変えて、次の旅をもっと豊かなものにしませんか?
【独学で一発合格】総合旅行業務取扱管理者試験の基礎知識と勉強法を読む
まとめ:天草・﨑津教会で最高の思い出を作ろう
- 天草の﨑津教会は、世界文化遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産であり、信仰と漁村文化が息づく祈りの聖地です。
- 天草ロザリオ館や大江教会など周辺スポットもあわせて巡れば、歴史と絶景を一度に体験できます。
- 熊本・島原・長崎・鹿児島と結ぶ4つのアクセスルートを活用し、フェリーやドライブを組み合わせることで旅の幅が広がります。
- 新鮮な海の幸や天草ちゃんぽんなど、ご当地グルメも外せない魅力のひとつ。
- 所要時間は、﨑津集落の散策だけなら2〜3時間、ロザリオ館や大江教会を加えると半日が目安。時間に余裕を持って旅程を組むのがおすすめです。
祈りと歴史、そして海の絶景に包まれる天草の旅へ――今すぐ出かけて、心に残る思い出を作りましょう!
旅する際には、最新の情報を確認しましょう。
最後までご覧いただきありがとうございました。良い旅を!